「10万円で売れた?半分分けてね」いとこから突然の連絡。3年前、いとこが送ってきた荷物とは
夕飯のあとに届いた短いメッセージ
夕飯の片付けをしていたとき、いとこからメッセージが届いた。
私は手を拭いて画面を開き、思わず夫にも見せた。
「10万円で売れた?半分分けてね」
夫も画面を見て、眉を寄せた。
「売れたって、あの3箱のこと?」
話は3年前にさかのぼる。
遠方に住んでいた、母のきょうだいにあたる親族が亡くなり、その後、いとこから荷物が送られてきた。
「お父さんの掛軸と茶道具、引き取って。売れば10万円にはなるから」
届いたのは、送料着払いの段ボール3箱だった。
中には年代物の置物や、量産品の器などが入っていた。
そこで、まず近所の買取店へ持っていくことにした。
査定を担当した人は、一つずつ品物を確認したあと、申し訳なさそうに首を横に振った。
「すみません。こちらは、どれもお値段をつけるのが難しいです。買取不可の書類はお出しできます」
「ほかのお店なら、値段がつくこともありますか?」
「何とも言えませんが、リサイクルショップでも処分扱いになる可能性はあると思います」
その後、リサイクルショップにも持ち込んだが、やはり値はつかなかった。
結局、処分料として3,000円を払い、領収書を受け取って帰った。
伝票と領収書を並べて送った
3年前のことを思い出しながら、私はいとこから届いたメッセージをもう一度見た。
夫が困ったように言った。
「どう返す?ちょっと言い返したくなるよね」
私は首を振った。
いとこも、父親が残した物にはそれなりの価値があると思っていたのかもしれない。
私は引き出しから、着払いの伝票、買取不可の書類、3,000円の領収書を取り出した。
3枚を並べて一枚の写真を撮り、そのままいとこへ送った。
「値段はつかなかったよ。処分料が3,000円かかって、送料と合わせて5,000円でした。売れたお金を半分にするなら、かかった費用も半分ずつでいいかな」
しばらくして既読はついたが、返事はなかった。
週末になると、今度はいとこの母から電話がかかってきた。亡くなった人の妻にあたる人だ。
「あの子から写真を見せられてね。そんなお金の話をしていたなんて知らなくて…ごめんなさい」
「謝らなくて大丈夫です」
「送料も処分代も、こっちで持つから。そこまでしてもらってたなんて知らなかったの」
翌日、いとこの母から5,000円が振り込まれていた。
それから、いとこから形見のお金について連絡が来ることは一度もなかった。通帳の記帳を見た夫は、「よかったね」とだけ言った。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














