「ボーナスで返すって約束したんでしょう?」半年間2万円を返さないいとこに、叔母が出した通告
半年前に交わした、2万円の約束
親戚の集まりの日取りが決まったと母から聞いたとき、真っ先に浮かんだのは、いとこに貸した2万円のことだった。
貸したのは、その半年ほど前。僕がまだ実家で暮らしていたころのことだ。
その晩、母方のいとこが仕事帰りの作業着のまま家に来た。車の修理代が足りないのだと言い、玄関で僕に頼んできた。
「悪いんだけど、2万円だけ貸してもらえないかな」
少し迷っていると、いとこは続けた。
「来月のボーナスで2万円返すけん」
そこまで言うなら大丈夫だろうと思い、僕は2万円を渡した。
ところが翌月になっても返済の話はなく、いとこから連絡が来ることもなかった。
親戚同士だけに、こちらから催促するのも気が重く、そのまま時間だけが過ぎていった。
そのうち叔父から、いとこが毎週のように飲みに出ているらしいと聞いた。
事情までは分からなかったが、返済の連絡すらないまま半年が過ぎていることに、僕はだんだん納得できなくなっていた。
「助けてもらったと思ってた」と返されて
親戚の集まりの日、料理が一巡したころ、僕は隣にいたいとこへ小声で話しかけた。
「半年前の2万円のこと、覚えてる?」
いとこは少し考えるような顔をしてから答えた。
「ああ、車のときの?あれ、助けてくれたんやと思っとった」
思わず聞き返した。
「いや、貸したんだよ。来月のボーナスで返すって言ったよね」
すると、いとこはもう一度言った。
「え、そうなん。助けてくれたんやと思っとった」
半年前の約束とは、明らかに話が食い違っていた。あまりにあっさり返され、僕は次の言葉が出てこなかった。
そのとき、向かいの席から湯のみを置く音がした。
いとこの母親である叔母が、こちらを見ていた。どうやら途中から話が耳に入っていたようだった。
「ちょっと待ちなさい。借りたものは返さないとだめでしょう」
いとこが黙ると、叔母はさらに続けた。
「ボーナスで返すって約束したんでしょう?来月、ちゃんと返しに行きなさい」
いとこは何か言いかけたものの、そのまま口を閉じた。
叔母は僕のほうへ向き直ると、申し訳なさそうに頭を下げた。
「ごめんなさいね。私、知らなかったの」
翌月、実家の玄関に来たいとこ
翌月の土曜日、いとこが実家へやって来た。
手には茶封筒を持っていた。受け取って中を確認すると、1万円札が2枚入っていた。
「遅くなってごめん。……言ってくれて、ありがとう」
いとこは少し照れたように笑った。
半年も言い出せずにいた僕も、その言葉を聞いてようやく肩の力が抜けた。
その日の夕方には、叔母から母の携帯に「届いた?」とだけ短いメッセージが届いていた。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














