「孫が多すぎる、そんなに来ても困る」祖母の葬儀で失礼な態度をとる親戚。だが、正直な気持ちをぶつけた結果
十人の孫とひ孫
祖母の家は、いつも誰かの笑い声で満ちていた。孫とひ孫を合わせれば、十人になる大家族だ。
「みんなの顔を見るのが、一番の薬よ」
そう言って、訪ねるたびにお菓子を出してくれる人だった。
私たちは順番に泊まりに行き、その膝で育ったようなものだった。
祖母が息を引き取ったと聞いて、十人全員が、それぞれの場所から葬儀に駆けつけた。
仕事も予定も、この日ばかりは後回しだった。
「最後まで、ちゃんとお別れしよう」
棺の前で、いとこ同士そう声を掛け合った。涙ぐみながらも、気持ちはひとつだった。
来るな、と言った親戚
通夜が終わる頃、近所に住む親戚の年配男性が、私たちのそばへやってきた。
法事でたまに会う程度の、それほど親しくない人だ。
並んだ孫たちをじろりと見て、彼は吐き捨てるように言った。
「孫が多すぎる、そんなに来ても困る」
火葬場のことだった。
人数が多いと迷惑だから、若い者は来るな、という意味らしい。
あまりに冷たい言い方に、その場の空気が凍りついた。せめて、もう少し言い方があるだろう。
「家で留守番でもしてなさい。大人だけで十分だ」
なぜそんなことを指図されなければならないのか。
誰もが言葉を失う中、けれど私たちは引かなかった。
祖母の最後を見届けることだけは、何があっても譲れなかったのだ。一人のいとこが、震える声を抑えて、それでもまっすぐに言葉を返す。
「私たち、みんな祖母と育ちました」
「おばあちゃん子なんです」
「最後まで、おばあちゃんのそばにいたいんです」
その真剣な顔に、男性は言い返す言葉を失ったようだった。口を開きかけては、また閉じる。
堂々と並んだ最後の朝
見かねた喪主の伯母が、私たちをかばうように一歩前へ出た。
「この子たちは、母が一番かわいがった孫です。みんなで送りますよ」
身内の代表がそう言い切ると、男性はもう何も返せなかった。バツが悪そうに視線を落とし、それきり黙り込んでしまった。
周りの親族も、そうだそうだと小さくうなずいている。気づけば、彼一人が浮いていた。
火葬場へ向かう朝、孫とひ孫の十人は、誰に遠慮することもなく堂々と列に並んだ。あの男性は、もう何も言わなかった。
最後に見た祖母の顔は、眠っているように安らかだった。一人ひとり、順番に語りかける。
「おばあちゃん、大好きだったよ」
あの場で家に帰されていたら、きっと一生悔やんでいた。十人そろって、大好きな祖母をきちんと見送れた。その温かさだけが、今も胸に残っている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














