「ここに停まっていると、ベビーカーが通れなくて」マンション前の車に困った私が持ち主へ伝えた一言
ベビーカーで車道に出るしかなかった
その日も、マンション前の道路には、いつもの車が停まっていました。
白線で区切られた細い歩道をふさぐように停まっていて、2歳の娘を乗せたベビーカーでは、そのまま通れません。
私はいったん立ち止まり、左右を確認してから車道へ出ました。
停まっている車の横を回ったそのとき、後ろから来た軽トラックがベビーカーのすぐ脇を通っていきました。
「ブーブー、はやいね」
娘は楽しそうでしたが、私は歩道へ戻ってからもしばらく落ち着きませんでした。
車の持ち主は、近所に住む50代くらいの男性です。
朝から夕方まで、長い時間そこに停めていることがありました。何か事情があるのかもしれないと思い、これまでは何も言わずにいました。
その夜、実家の母に電話で話しました。
「あの車があると、ベビーカーで通れないの。行きも帰りも、車道に出るしかなくて」
「それは怖いね。本人には話したの?」
「まだ。怒りたいわけじゃないんだけど…」
「だったら、困ってることだけ伝えてみたら?」
娘を見た男性が、言葉を止めた
翌朝、ベビーカーでエントランスを出ると、ちょうど男性が車のドアに手をかけていました。
私は思い切って声をかけました。
「すみません。この車の方ですよね」
「はい、そうですけど」
「ここに停まっていると、ベビーカーが通れなくて…。車道に出ないといけないんです。できれば、近くのコインパーキングに停めてもらえると助かります」
男性は少し黙り、私の横にいる娘へ目を向けました。
「…そうだったんですか。そこまで気づいてなかったです」
そして娘に向かって、「危なかったね。ごめんね」と声をかけました。
「孫もいるのに、気が回らなかったな。今日から向こうに停めます」
そう言って、男性は私にも頭を下げました。
車が出たあと、ちょうどごみを出しに来た同じ階の女性が声をかけてきました。
「話したんだね。私も自転車で通りにくいなって思ってたの」
それから、マンション前にその車が停まることはなくなりました。
数日後、近くのコインパーキングのそばで男性を見かけると、娘に気づいて笑顔で手を振ってくれました。
相手を責めるのではなく、困っていることをそのまま伝える。それだけで変わることもあるのだと感じた出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














