「10万円も買ったのに、また送ってよ」不在で服の荷物が4回戻り、再配送を頼む客に店員が示した書類
大きな買い物と戻ってくる荷物
店員は10万円を超える婦人服の配送を手配します
百貨店の婦人服売り場で働いていた頃、初めて来店されたお客様を担当しました。接客はスムーズに進み、選ばれた服の合計は10万円を超えました。
服はかなりの量になったため、お客様は配送を希望されました。送料は着払いにする手続きを済ませ、お届け先と希望日を確認しました。
私はほっとしていました。翌日、選ばれた服をそろえ、配送の準備を進めたのです。
女性客は店員からの電話で配送日の変更を頼みます
ところが、指定日に届けた荷物は、お客様が不在で受け取れないまま戻ってきました。私は連絡を取り、事情を確認しました。
「別の日に変えてもらえますか」
お客様からそう頼まれ、私はあらためて希望日を伺いました。急な用事が入ることもあるだろうと思い、その日に合わせて再び配送を手配しました。
戻った服をもう一度送り出しました。
店員は不在で何度も戻ってくる荷物に困ります
しかし、再配送した荷物も不在で戻ってきました。連絡をして日を変更し、送り直す。また戻ってくる。その繰り返しでした。
売上につなげたい気持ちもあり、私はなかなか話を切り替えられませんでした。気づけば荷物が戻ることは4回ほどになっていました。
配送の記録を見直すと、そのたびにお客様の希望を聞いて手配したことが分かります。日付だけを変えても、同じことが続くのではないかと思いました。
次の発送日を決める前に
女性客は電話で店員にもう一度配送を頼みます
「10万円も買ったのに、また送ってよ」
連絡した際、お客様はいつもの調子で頼みました。けれど、私はすぐに次の日付を聞くことをやめました。
「受け取れる日が決まるまで、発送を待ちます」
そう伝えると、電話の向こうが静かになりました。予定が分からないまま再び手配することはできません。私は、配送以外の受け取り方も含めて相談したいと伝え、売り場へ来ていただくことになりました。
店員は来店した客に希望日へ配送した記録を示します
来店されたお客様に、私は配送日と返送された経緯をまとめた書類を示しました。お客様は初め、また日を変えればよいという様子でした。
「全部、ご希望の日にお送りしています」
私が順に指すと、お客様の目が書類の上で止まりました。言いかけた言葉をのみ込み、しばらく日付を見つめています。
私は責める口調にはせず、確実に受け取れる方法を決めてから進めたいと伝えました。お客様は小さく息を吐きました。
女性客は配送をやめて店で受け取ると答えます
「ここで受け取って帰ります」
お客様は顔を上げ、ようやくそう言いました。私は商品を用意し、店頭でお渡ししました。もう、受け取れるか分からない日に向けて梱包し直す必要はありません。
私は配送用の書類を閉じました。何度も送り直せばよいと考えていたお客様が、今は渡された服を自分で持って帰る支度をしています。
売りたいからと同じ依頼を受け続けず、私はようやく次へ進むための話ができました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














