「前、見てますか?」道の端で立ち止まるたびに突っ込んでくる自転車。余裕がない毎日に募る葛藤
毎回なぜか突っ込んでくる
近所への買い物は歩いて行く。自転車や車が来たら道の端に寄って止まる。体に染み付いた習慣だ。向こうが通りやすいように、できるだけ端に寄るようにしている。
ぶつかりたくないのは互いに同じはずだから、それで十分だと思っていた。
ただ、端に寄って止まるたびに不思議なことが起きる。
向こうから来た自転車が、こちらに向かってくるのだ。
スペースは十分あるはずなのに、歩行者が静止している場所に進んでくる。
最初は偶然かと思っていたが、何度も繰り返された。
端で待つたびに突っ込んでくる自転車がいる。
それが当たり前になってきた頃、ようやく気づいた。
前を見ていないのだと。前を見ていないから、端によけた歩行者の存在に気づかないまま直進してくる。
よける側がどれだけ気をつけても、来る側が前を向いていなければどうにもならない。
驚いたのは向こうだった
ある日もいつものように端で立ち止まり、自転車が来るのを待った。
後ろから来たのは年配の女性が乗る自転車だった。こちらに向かって直進してきて、直前でようやく気づいたらしく、
「うわぁっ」
と声を上げてハンドルを切った。
その一言が頭に残った。驚いたのは、端で静止していたこちらではなく、向こうだった。
こちらは最初から止まっているのに、突っ込んできた側が驚く。
ハンドルを切った後も相手はそのまま走り去り、振り返りもしなかった。
(前、見てますか?)
声には出せなかった。何も言えないまま、その背中を見送った。
ゾッとする理由がわかった
毎回ゾッとするのは、相手がこちらを認識していないからだと気づいた。
避けて止まっている歩行者を見ないまま走ってくる。視野に入っていないか、入っていても反応できない。
いずれにしても、止まった側が逃げなければぶつかる。
「前、見てますか?」
と言えたことは一度もない。
毎回そんな余裕がないまま、すれすれを通り過ぎる自転車をやり過ごしている。
言えたとしても、前を見ていない相手に届くのかどうか、それも分からない。
自転車の事故が増えているというニュースを見るたびに、当然かもしれないと思う。
前を見ていない自転車と、端で待つ歩行者。この組み合わせが毎日どこかで起きていると思うと、他人事ではない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














