「やっぱり、別の昼飯がよかったな」気分で予定を変える夫。だが、妻が提示したルールで夫の態度が変わった
覆され続けた休日
我が家の休日は、夫の気まぐれに振り回されるのが常だった。
「今日は家でゆっくりしよう」と言うから、私ものんびり過ごすつもりで支度を解く。
すると数十分後、夫は思い立ったように「やっぱり出かけよう」と言い出す。
準備を始めたそばから予定をひっくり返されると、なんともいえないもやもやが残った。
昼食も同じだった。
「何でもいいよ」と言うので、私が献立を決めて作り始める。
フライパンを火にかけたころ、夫はのんびりとこう漏らすのだ。
「やっぱり、別の昼飯がよかったな」
任せると言ったのは夫なのに、決まった後になって不満をこぼす。
悪気がないぶん、こちらも強く言い返せない。
休日のたびに繰り返されるこのくだりに、私は少しずつ疲れていった。
決めるまでの段取りは、いつも私の役目だった。
冷蔵庫の中身を思い浮かべ、天気を見て予定を組み、そのうえで動き出す。その苦労を横目に、夫は出来上がったものへ後から注文をつける。
せめて先に一言、希望を口にしてくれたら。そう思うたびに、飲み込んだ言葉が胸の底にたまっていった。
書いてもらう約束
どうすればこの気まぐれが収まるのか。悩んだ末に、私はひとつの約束を思いついた。夫の思いつきが後から出てくるのなら、それを前に出してもらえばいいのだ。
その週末、私はテーブルにメモ帳を広げて夫に頼んだ。
「これからは、昼ごはんと出かける予定を、先にここへ書いてくれる?書いたとおりに動くって約束にしよう」
夫は最初こそ「わざわざ書くのか」と渋っていたが、しぶしぶペンを取った。
そして「昼はうどん、午後は近所を散歩」と書き込む。私はその紙を、冷蔵庫にぺたりと貼った。
頭の中だけで考えていると、気分次第でいくらでも揺れる。
けれど紙に書けば、その一行が約束になる。
夫は書くという行為を通して、自分の希望と初めて正面から向き合ったようだった。
ぼんやりした思いつきを口にする前に、いったん立ち止まって考える。その小さな習慣が、二人のすれ違いをほどいていった。
「こうして書くと、なんだか予定が楽しみになるな」。夫は貼られた紙を眺めて、そう言って笑った。
約束を始めてから、私たちの休日は驚くほど穏やかになった。
覆される心配がないから、私も安心して支度ができる。
夫も自分の言葉に責任を持つようになり、口論はいつのまにか消えていた。たった一枚の紙が、二人の時間を取り戻してくれたのだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














