「主婦がストレスとか笑わせるな」入院した妻に言い放つ夫。だが、同部屋の女性の一言に病室中が吹き出した
大部屋に響いた夫の暴言
過労で体を壊し、私は四人部屋の病室に入院していました。それぞれのベッドをカーテンで仕切っただけの、声がよく通る空間です。
お見舞いに来た夫に、私は先生から言われたことを打ち明けました。日々のストレスも、体調を崩した原因の一つかもしれない、と。
すると夫は、カーテンの向こうにも丸聞こえの声で、吐き捨てるように言ったのです。
「主婦がストレスとか笑わせるな」
「働いてもいないくせに、何がしんどいんだ」
私はベッドの上で身を縮めました。同室の方々に聞こえているのが、いたたまれなかったのです。それでも夫は声を落とすどころか、ますます得意げに続けます。
「家事なんて誰でもできる。倒れるほうがどうかしてるんだよ」
その言葉が響いたとき、隣のベッドの気配がふと動いたのを感じました。カーテンの向こうで、誰かがそっと身を起こしたようでした。
見知らぬ女性の切り返し
その空気を破ったのは、斜め向かいのベッドにいた高齢の女性でした。ふだんは物静かなその人が、カーテンの隙間からのぞくようにして、きっぱりと言い放ったのです。
「原因はその旦那さんよ」
数秒の沈黙のあと、病室中が吹き出しました。通りかかった看護師さんまで、口元を押さえて笑いをこらえています。
夫の得意げな表情が、みるみるこわばっていきました。「はあ?関係ないだろ」と言い返そうとしたものの、声はどんどん小さくなっていきます。
女性は動じることなく、もう一度、静かに畳みかけました。
「奥さんは、あなたに気を遣ってここまで我慢してきたのよ。それが分からないなら、帰ったほうがいいわ」
夫は真っ赤な顔でうつむき、そそくさと荷物をまとめて病室を出ていきました。あんなに縮こまった夫を見たのは、結婚してから初めてのことでした。
ドアが閉まると、病室に温かい笑い声が戻ってきました。「よく言ってくれたわ」と、あちこちのベッドから声が上がります。私は涙が出るほど笑い、そして少しだけ泣きました。
あの日、見ず知らずの人たちがくれた笑いと言葉が、私を縛っていた思い込みをほどいてくれました。我慢することが家族のためだと信じていた自分に、そっと別れを告げられた気がしたのです。
後日、あの女性は「うちの人も昔は同じだったのよ」と、穏やかに話してくれました。我慢を重ねるうちに、自分の気持ちまで見失っていたのだ、と。その言葉は、ずっと私が言えずにいた本音そのものでした。
退院後、私は前よりずっと肩の力を抜いて過ごせるようになりました。あの病室で聞いた笑い声は、今でも私を支えてくれています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














