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2026.07.11(Sat)

「全部食べたけど何か?」作り置きしていたカレーを全部食べた夫。だが、妻が冷蔵庫に貼った1枚の紙で状況が一変

「全部食べたけど何か?」作り置きしていたカレーを全部食べた夫。だが、妻が冷蔵庫に貼った1枚の紙で状況が一変

開けた鍋は空だった

週末に料理を作り置きして、平日を乗り切る。それが我が家のやり方だった。仕事から疲れて帰り、そこから夕飯を一から作るのはさすがにこたえる。

だから休みのうちにまとめて仕込んでおくのが、長年の知恵だった。その日曜も、私は米を3合炊き、大鍋でカレーを8皿分こしらえた。これで数日は台所に立たずに済む、そう思っていた。

けれど水曜の夜、鍋の蓋を開けると底がのぞいていた。8皿あったはずのカレーも、3合の白米も、3日ですっかり消えている。

念のため取り分けておいた容器まで、空っぽだった。洗っていない鍋がシンクに転がり、こびりついたカレーの跡だけが、確かに大量にあったことを物語っていた。

「ねえ、カレー、まさか全部食べたの?」

テレビを見ていた夫は、こちらも見ずに言った。

「全部食べたけど何か?」

悪びれる様子もない。おいしかったんだから仕方ないだろう、という顔だった。

「せめて半分は、残しておいてくれたら」

「腹が減ってたんだから、しょうがないだろ」

「明日からの分が、なくなっちゃったじゃない」

3合の米と8皿のカレーを一人で3日でたいらげておいて、まるで他人事だった。

冷蔵庫に貼った1枚

怒鳴っても、この人には響かない。長年連れ添って、それはよく分かっていた。だから私は、別のやり方を選んだ。

買い物のレシートを集めて電卓を叩き、この数日でかかった食費を1枚の紙に書き出した。米、肉、野菜、ルー。どれも家族が数日かけて食べるはずの食材で、特売を狙って一円単位で切り詰めた金額が、まるごと一人のお腹に消えた計算だった。

合計の数字は、外食が何度もできるほどにふくらんでいた。その紙を、冷蔵庫の扉に大きく貼った。

夕方、帰ってきた娘がその紙を見て、素っ頓狂な声をあげた。

「え、これ3日分の食費?お父さんが一人で食べちゃったってこと?」

「そうよ。全部ね」

娘のあきれ声に、夫がのそりとやってきた。紙の金額を目で追ううちに、さっきまでの余裕が抜けていく。

「……こんなに、かかってたのか」

「家族の分まで、あなたのお腹に入ってたの」

夫は青ざめて、それきり黙り込んだ。

翌日から、夫はその紙の隣に、自分が食べた分を書き足すようになった。何をどれだけ口にしたか、自分で記録するようになったのだ。

空の鍋を前に平然としていた人が、今では一皿よそうたびに紙をちらりと見る。

「これ、ちゃんと効いてるみたいね」

娘と顔を見合わせて、思わず笑ってしまった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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