「動けるだろ、早くしろ」産後5時間の病室で妻に命じた夫。だが、義母の正論で夫の顔色が一変
産後5時間で飛んだ号令
二人目を出産して、まだ5時間ほど。麻酔も切れて、体を少し動かすだけでも息が詰まるような状態でした。病室のベッドで、私はただ横になっているのがやっとだったのです。
そんな私のもとへ、夫の両親がお祝いに駆けつけてくれました。孫の誕生を喜んでくれる二人に、私は横になったまま挨拶を返しました。
ところが、しばらくして夫が急に苛立った声を出しました。両親に出すお茶を、私に用意させようというのです。
「動けるだろ、早くしろ」
「え……今、ですか?」
私は言葉を失いました。数時間前に子どもを産んだばかりの妻に、平然とそう言い放つのです。夫は昔から、家のことは全部私の役目だと決めつけていました。産後の病室でさえ、その考えは揺らがなかったのです。
のろのろと起き上がろうとする私を見て、義母が慌てて止めに入りました。
「いいの、いいの。あなたは寝ていなさい」
それでも夫は、機嫌を悪くするばかりでした。
「甘やかさないでくれよ。これくらい、母親なんだから当然だろ」
湯呑みを置かずに帰った瞬間
母親なんだから当然。
その一言に、それまで穏やかだった義母の表情が、すっと引き締まりました。
私が痛みをこらえて起き上がろうとすると、義母はきっぱりと私の肩に手を添えて、押しとどめました。
「お茶なんて、いりません。それより、あなたが今すぐ休むことのほうが大事でしょう」
義母は、夫のほうへ向き直りました。
「あなたね、奥さんがどんな思いでこの子を産んだか、分かっているの?」
夫は、返す言葉を探すように口を開きかけて、そのまま固まりました。
「今日は帰ります。お茶は、この子が元気になってから、ゆっくりいただくわ」
そう言うと、義母は義父をうながし、湯呑みには目もくれず病室を後にしました。取り残された夫は、決まりの悪そうな顔で立ち尽くすばかりです。
「……そこまで言うことないだろ」
小さくこぼしたその声には、さっきまでの威勢はもうありません。実の母に真正面から諭され、夫は青ざめた顔でうつむいていました。
その日を境に、夫は少しずつ変わりました。私が熱を出して寝込んだ時には、あれほど「お前の仕事だろ」と言っていた夫が、初めて自分から台所に立ったのです。ぎこちなく湯呑みを運ぶその背中を見て、あの日の義母の毅然とした姿を、私は誇らしく思い返しました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














