「黙れよ、浮気くらい誰でもするだろ」開き直った同棲相手。だが、最後に頭を下げたのは彼だった
消えないやり取り
同棲を始めて二年目のことでした。彼のスマホが、やたらと通知で光るようになったのです。
最初は仕事の連絡だと思っていました。けれど画面に表示される名前はいつも同じ女性で、届く時間はきまって深夜。
問いただすと、彼はへらへらと笑ってごまかしました。
「ただの友達だって。考えすぎだよ」
その言葉を信じたふりをして、私は証拠を集め始めました。
感情的になった瞬間に、こちらが不利になるとわかっていたからです。
やり取りの中身、待ち合わせの履歴、二人で出かけた記録。
どれも消される前に、ひとつずつ手元へ残していきました。
画面を保存し、日付を書き写す。その作業を続けるうちに、悲しみよりも「きちんとけじめをつけよう」という気持ちのほうが強くなっていきました。
証拠がそろった夜、私はそれを彼の前に広げました。
「これでも、ただの友達だって言える?」
彼は舌打ちをして、開き直りました。
「黙れよ、浮気くらい誰でもするだろ」
頭を下げた彼
その一言で、私の未練は音もなく消えていきました。
浮気を「誰でもすること」と言い切る。その感覚こそが、彼という人の本質なのだと思い知らされたのです。
「…わかった。もう、あなたとは終わりにする」
彼は最初、私がただ脅しているだけだと思っていたようでした。
「はあ?そんなことで別れるとか、大げさなんだよ」
大げさなのは、浮気を軽く考えているあなたのほう。
言い返したくなる気持ちをのみ込み、私は代わりに、準備しておいた書類を静かに取り出しました。
けれど私が、部屋を引き払うための手続きの紙と証拠の束をまとめて見せると、彼の表情が変わりました。
減らず口が止まり、目が落ち着きなく泳ぎ始めます。
「待って、悪かった。もう二度としないから」
今度は泣きそうな声でした。数時間前まで「誰でもする」と笑っていたのが、まるで嘘のようです。
「お願いだから、やり直そう。俺が全部悪かった」
今さら態度を変えた彼に、私は静かに首を振りました。
「二度としない人は、最初からしないよ」
彼はしばらく黙り込んだあと、私に向かって深く頭を下げました。
あれほど偉そうにしていた人が、今は肩を落として謝り続けています。それでも、下げられた頭を見つめる私の心は、もう少しも動きませんでした。
「顔を上げて。もう、あなたに謝ってほしいことは何もないから」
玄関で靴を履く私の背中に、彼の謝る声がいつまでも続いていました。
けれど一度冷めた気持ちは、その声では二度と温まりません。私は自分の荷物だけを持って、その部屋を静かに後にしました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














