
「ゼロ」公約はどこへ?システム改修を言い訳にすり替わる論点と、政治に対する国民の冷めた視線
歴史的な物価高騰が家計を圧迫し続ける中、政治が掲げた「救済策」が、今、呆気なく変質しようとしています。
先の2月に行われた衆院選で、自民党が目玉公約として打ち出した「2年間の飲食料品消費税ゼロ」。
しかし、政府内で現在有力となっているのは、税率をゼロではなく「1%」にとどめるという案です。
最大の理由として挙げられたのが、小売店のレジシステム改修にかかる時間でした。
ゼロへの改修には最長1年を要する一方、1%であれば半年程度に短縮できるため、早期の物価高対策を優先すべきだというのです。
高市早苗首相は6月下旬にも最終判断を下すとされていますが、国民との約束であるはずの「ゼロ」が、実務的なシステム改修の壁を理由にいとも簡単に覆されようとしている事態に失望と怒りの声が噴出しています。
この問題の根深さは、単なる政策変更に留まらない「後出しジャンケン」のような不誠実さにあります。
最初から実務的なハードルを考慮して「1%」と掲げていれば妥当な政策として議論されたはずですが、選挙戦を有利に進めるために耳障りの良い「ゼロ」を掲げ、後から現実的なコストや期間を理由にトーンダウンする手法は、有権者を欺く行為と捉えられても仕方がありません。
現場の小売店への配慮を建前としながらも、その実、減税幅を縮小したい政府の思惑が透けて見える状況に、SNS上では、厳しい意見が続いています。
『1番最初にやるべき事だったんじゃないの?何だかんだ言ってグダグダ時間かけて、結局は公約は守らないんだな』
『悲願であったはずなのに未だ決定もしていない。スピード感がなさすぎる』
『ゼロって話だった気がしたけど違うんだっけ?いつの間にかすり替わっていて不信感しかない』
『決定すれば現場は対応するのみなのに、理由をつけて消費税ゼロにしないだけ。ただの言い訳に聞こえる』
迅速な支援策を追い求めた結果として「1%」を落とし所にするという皮肉な構図が浮かび上がります。
確かに、全国の小売店におけるシステム改修の負担は決して無視できるものではありません。
軽減税率導入時にも現場が混乱したように、複雑な税制変更は莫大なコストと労力を伴い、それに伴う代替財源の確保などクリアすべき現実的な課題は山積しています。
しかし、システムの制約を免罪符にして公約を事実上反故にするのであれば、それは巡り巡って「選挙公約は守られなくても仕方がない」という政治不信の蔓延という形で、日本の民主主義そのものの首を絞めることになりかねません。
私たちは今、耳当たりの良い公約と、それを実現するためのプロセスの整合性を厳しく再考すべき局面に立たされています。
レジ改修というシステム上の課題自体が悪いわけではなく、それを隠れ蓑にして方針転換を正当化しようとする、政治側のモラルや説明責任が追いついていないことが最大の問題といえるでしょう。














