「気を使うから」と返ってきた義母の断り→母の日のお花が引き起こした嫁の立場へのモヤモヤ
五月の店先で何軒も悩んだ、お花の選び方
結婚して初めての五月。
嫁いだばかりの私は、義母に喜んでもらいたい一心で、母の日のお花選びに何日もかけていました。
近所の花屋を三軒ほど見て回り、店員さんに「五十代後半の方への贈り物で」と相談しながら、淡いピンクのバラとカスミソウのアレンジメントに決定。
添えるカードには、手書きで「いつもお世話になっております」のひと言を添えました。
送料を入れると、お小遣いの中ではちょっと背伸びした金額です。
配達日は、義母が確実に在宅している朝の時間帯を指定しました。
「義母さん、喜んでくれるかな」
当日、配達完了通知のスマートフォンの画面を、何度も見返したのを覚えています。
けれど、その日、私のスマートフォンには義母からのメッセージは届きませんでした。
夕方になっても、夜になっても、画面は静かなままです。
夫経由で届いた義母の言葉と、心の中で揺れる天秤
夜、帰宅した夫がソファに腰を下ろしながら、ふと切り出しました。
「お母さん、お花のこと言ってたよ」
私は前のめりに身を乗り出します。
「喜んでくれた?」
夫は少し言葉を選ぶように、ゆっくり続けました。
「気を使うから」
「うちはそういうのはしなくていいって」
その瞬間、胸の中の温度が、すうっと一段下がるのを感じました。
義母の言葉に、悪意がないことは分かります。
「気を使わせないように」という気遣いの裏返しなのも、よく理解できます。
けれど、私の頭の中では、別の問いが連鎖的に膨らんでいったのです。
(お返し目当てと思われたのかな)
(贈り物自体が、押し付けがましく感じられたのかな)
そしていちばん引っかかったのは、こんな問いでした。
(私がもし何もしなかったら、気が利かない嫁と言われていたのかな)
嫁という立場には、見えない天秤がいつも置かれているような感覚があります。
やっても気を遣わせる、やらなければ気が利かない。
どちらに転んでも、自分の重みがちょうど良い位置に収まらない、そんな不安定さです。
夫は私の表情を見て、軽く頭をかきながら言ってくれました。
「お母さん、本当に気を使ってるだけだと思うよ」
頭では分かるのです。
でも、心の中の天秤は、その日からしばらく、ゆらゆらと揺れたままでした。
翌年からの母の日、私は夫と相談して、お花ではなく一緒に食事に行く形に切り替えました。
「気を使わせず、けれど何かはしたい」というラインを探りながら、嫁の立場と向き合っていく日々が、いまも続いているのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














