「仕事でお金がいるから」何度も頭を下げて借りに来た元夫→離婚後にようやく気づいた縁が切れた解放感
「仕事でお金がいるから」と差し出されてきた元夫の手
結婚していた頃、いちばん多かった会話のひとつが、お金にまつわる頼みごとでした。
給料日のあと、私のスマートフォンに着信が入ります。
「ちょっと、頼みがあって」
声色は、いつも申し訳なさそう。
家に帰って向き合うと、元夫は深々と頭を下げて切り出します。
「仕事でお金がいるから」
「ちょっとだけ、貸してくれない?」
そう言って、私の財布から数万円が抜けていく日が、月に数回ありました。
感謝されている空気は、最初の数回だけ。
気づけば「出してもらって当然」の流れに変わり、玄関のポストには公共料金の督促状が、毎月のように溜まっていきます。
水道、ガス、電気、固定資産税。
督促状の赤い文字を、私が密かに振り込みに行くことが、いつの間にか日常になっていました。
「来月こそは大丈夫だから」
そう繰り返す元夫の言葉の重みが、月を追うごとに薄れていく感覚を、私は黙って受け流していたのです。
離婚後の駐車場で気づいた、当たり前の解放感
離婚成立から半年が過ぎたある週末、私は近くのスーパーへ買い物に出かけました。
カートを引きながら、惣菜コーナーで「今日の夕飯、何にしよう」と独り言を呟いた、その瞬間です。
胸の奥で、ふっと、何かが軽くほどけるのを感じました。
店内を一人でゆっくり回れる。
レジで会計を終えても、駐車場に「遅いんだけど?」と待ち構える人はいない。
家に帰っても、玄関ポストに赤い督促状は刺さっていない。
当たり前が、当たり前のまま、私の手元に戻ってきている。
その事実に気づいた瞬間、思わず駐車場のアスファルトの上で、深く息を吐いていました。
結婚していた頃は、感謝されることのない出費と、ぶっきらぼうな言葉と、督促状の処理に、毎日少しずつ削られていたのだと、いまになってようやく分かります。
「縁が切れて良かった」
胸の中で、その言葉だけが、ゆっくりと形を持っていくのを感じました。
モヤモヤとしたまま結婚生活を続けていた頃の私には、まったく想像できなかった解放感です。
その日の夕飯は、自分の好きなものだけを並べました。
湯気の上がるお皿を見つめながら、私は静かに、新しい毎日のページをめくり始めていたのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














