「夜は本当に静かです」結婚前に夫婦で決めた新居→引っ越し初日の深夜に響き始めた上階の物音に絶句
結婚前の住まい探しと一言の決め手
結婚式まで数か月を切ったタイミングで、夫と新居を決めた。
条件に合う部屋を週末ごとに見て回り、最後に絞り込んだのが昼間に内見した一室だった。
窓を開けても外の音はほとんどなく、部屋の中もしんとしていた。陽がよく入って、収納も広く、家賃も予算の範囲に収まる希少な一室だった。
担当者は壁を軽く叩きながら言った。
「夜は本当に静かです」
営業文句にしては自信ありげな言い方で、私も夫もそこで気持ちが固まった。
後日もう一度、できれば夜に来たいと話していたものの、夫の出張やこちらの式の準備が重なり、結局昼の印象だけで契約書にサインをした。
早く決めないとほかの人に取られてしまうかもしれない、という焦りも、いま思えば判断を急がせた気がする。
引っ越しの日まで、私たちは新生活への期待しかなかった。
荷ほどきの夜に天井から落ちてきた音
引っ越しの初日、段ボールに囲まれた部屋でようやく一息ついた頃のことだった。
時計の針が夜の十一時を回り、明かりを落として寝る支度を始めた。冷蔵庫の運転音だけが静かに響いていて、これからの暮らしを思い浮かべる時間のはずだった。
そのときだった。天井から、ドンッと低い音が一度落ちてきた。
続いて、誰かが歩き回るらしい足音と、家具を引きずるような音が断続的に響いてくる。
「これ、嘘だろ」
夫が小さく漏らした。
私は荷物の中から耳栓を探したが、見つからずそのまま天井を見上げてしまった。
寝つけないまま朝を迎えて、寝不足の顔で出勤した夫の背中を、玄関で見送った。
これが毎晩続くのだろうか、という不安が、急速に胸に広がっていった。
「夜にも来ておけばよかった」と話し合う休日
夜の物音は毎日続いた。
日中は嘘のように静かで、洗濯機の音さえはばかられるほど。
けれど夜の十時を過ぎたあたりから、別の家のように音が立ち始める。
生活時間帯の合わない人が上に住んでいるだけ、と理屈では分かっている。
それでも、はじめての結婚生活で迎える夜に、毎晩天井を気にする展開は想像していなかった。
休日に夫と何度同じ話をしたか分からない。
「夜にも来ておけばよかったね」
そう言い合って、二人とも黙ってしまう瞬間が増えた。
説明がうそだったとは言い切れず、自分たちの確認不足だったのも事実。どちらに非があると詰めるほどでもなく、ただ事前の印象とのずれだけが残っていく。新婚最初のモヤモヤは、思っていたより長く居座っている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














