tend Editorial Team

2026.06.03(Wed)

「入社したら法務をやってください」経理で内定したのに入社3日前に届いた電話。退職後、職場の悲しい事実を知った

「入社したら法務をやってください」経理で内定したのに入社3日前に届いた電話。退職後、職場の悲しい事実を知った

経理で入ったはずだった

転職活動を終えてほっとしていた。法律関連の書類を扱う会社への入社が決まり、担当は経理職だった。

簿記の資格取得に時間をかけ、前職でもコツコツと経験を重ねてきた。ようやく希望する仕事に就けると思っていた。

内定から3週間近く、特に変わった連絡もなく過ごしていた入社3日前のことだ。

会社の番号から電話が入った。

出ると、人事担当者の声で短い一言だった。

「入社したら法務をやってください」

経理として入社準備をしていたわたしに、未経験の部署が突然押しつけられた。

経理として準備してきた気持ちが、その一言で宙に浮いた。法務は未経験の分野だった。なぜ3週間ある間に伝えなかったのか。受け入れるしかなかったが、飲み込んだものは小さくなかった。

月曜日、出社した。

初日、丸投げされた書類の山

配属先の直属の上司は、挨拶もそこそこに書類の束を手渡してきた。

「これ、見ておいてください」

説明はなかった。どの書類が何を意味するのか、何から手をつければいいのか、何もわからないまま机に座った。

おそるおそる質問をすると、「自分で調べてみて」という返答が来た。言葉は短く、話しかけにくさがあった。

法務は未経験だった。前職とも分野が異なる。それでも誰かが丁寧に教えてくれることはなく、先輩社員たちも余裕なさそうに働いていた。

周囲に声をかけるタイミングを計りながら、一日一日をやり過ごすことが精一杯だった。「できていないことに気づかれていないだろうか」という不安が、常に頭のどこかにあった。

「私は、経理希望で入りました」

そう言えなくなっていた。

1年で辞めて、聞いた話

なんとか1年間働いて、退職した。

退職の挨拶をしたとき、引き止める言葉は上司からは来なかった。

しばらく経って、以前親しくしていた同僚から連絡が来た。

世間話をするうちに、こんな言葉が出てきた。

「あなたが退職してから、15人くらい辞めてるよ」

数字を聞いた瞬間、胸の中に何かが落ち着いた。

「やっぱり、そういう会社だったんだな」と思った。

モヤモヤは今も消えているわけではない。入社3日前の電話、初日の丸投げ、聞きにくい空気。どれも「たまたま」と思いたかったが、続く退職者数が教えてくれた。

自分の感じていた違和感は、思い過ごしではなかったのだと。

あの1年間が完全に無駄だったとは言わない。でも、「経理でキャリアを積む」という選択肢は、一本の電話で消えたままだ。次の職場ではそのぶん慎重に会社を見るようになった。

それが、あの経験から得た唯一の収穫かもしれない。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.07.23(Thu)

「何分待たせんだよ!」満席ランチで怒鳴る客。だが、常連客の一言で状況が一変
tend Editorial Team

NEW 2026.07.23(Thu)

「文句あるなら働け」単身赴任中に子供のお金を使い込んだ夫。だが、妻が資格を取り自立した結果
tend Editorial Team

NEW 2026.07.23(Thu)

「本気で驚いてるじゃん(笑)」背後から驚かす悪ふざけをやめない夫。だが、我慢の限界が来た瞬間
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.01.07(Wed)

「理不尽な客がきたら守ってやる!」と豪語する店長。だが、クレーマーの前で見せた態度に唖然【短編小説】
tend Editorial Team

2025.09.13(Sat)

月額100万円で人生相談!?エイベックス松浦会長の顧問制度に155名の応募殺到するが「ただお茶飲むだけで」と懐疑的な声も
tend Editorial Team

2025.12.08(Mon)

「期待値が上がってしまう」「興味深い」と期待の声。オードリー若林が小説家デビュー、アメフト青春譚『青天』を出版
tend Editorial Team