「見てたらどうしよう」ようやく交換した連絡先にまさかの誤操作→既読も返事もなく終わった、同期との距離感
半年越しのチャンス
気になっていた同期がいた。
同じ部署ではないが、社員食堂で何度も話すうちに、少しずつ顔見知りになっていた。
グループで昼食をとる機会が増え、会話も弾むようになっていたが、直接やり取りする手段がなかった。
部門合同の歓迎会の帰り際、思い切って連絡先を聞くと「いいですよ」とあっさり教えてもらえた。
もし断られたらどうしようと緊張していただけに、拍子抜けするほどあっさりしていた。半年越しのチャンスをようやくつかんだ気がした。
帰宅してすぐスマートフォンを開き、名前とアイコンを確認した。
何か送るわけでもないのに、ただそこにある事実だけで胸が弾んだ。
次に会ったときはどんな話をしようか、そのうちメッセージを送るなら何から切り出そうか。
頭の中で考え続けているうちに、連絡先の画面を開いたまま気づかぬうちに眠り込んでいた。
翌朝、送信済みの文字列
目が覚めて最初にしたのは、スマートフォンの確認だった。
昨夜の幸運な気分が残っていた。
送信済みのトークに、意味不明な文字列が残っていた。
時刻は深夜一時過ぎ。寝落ちしたまま誤操作したらしく、まともな内容ではなかった。
全身が一気に冷えた。
「見てたらどうしよう」
既読マークはついていなかった。取り消せる時間はとっくに過ぎていた。
そのまま出勤すると、相手は普段通りの挨拶をしてきた。
少し表情をうかがったが、変わった様子はなかった。
メッセージの話は一切出なかった。
(見た上でスルーしたのか、本当に気づいていないのか。)
どちらなのか判断がつかないまま、日が過ぎた。こちらから「間違えて送ってしまいました」と説明するべきだったかもしれない。
ただ、深夜一時に名前を開いていたことまで伝わる気がして、踏み出せなかった。
食堂で顔を合わせるたびに切り出そうとしたが、翌日も、その次の日も同じだった。
既読はつかず、返信も来なかった。
交わす挨拶の数は増えないまま、社員食堂でたまに目が合っても前より少し早く視線がそれるようになった。
あの文字列を送ってから、何かが少しずれたのだと思う。素直に一言謝っていれば、違う展開があったかもしれない。
ただ、そのタイミングも逃し続けた。どう切り出せばよかったのかは今も分からない。答えが出ないまま、今もモヤモヤが続いている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














