「300万貯めたんでしょ?」と言う義母→妻「なんで知ってるの」思わぬ事実が発覚し絶句
お茶の席で知った貯金額
その日、私は夫に連れられて、近所に住む義母の家を訪ねていた。義母は温厚で、嫁の私にもよくしてくれる人だ。
お茶菓子をつまみながら、たわいのない世間話に花が咲く。ところが会話の途中、義母がにこにこしながら思いがけないことを口にした。
「お宅、300万貯めたんでしょ?」
私は一瞬、言葉の意味が飲み込めなかった。我が家の貯金額は、夫婦のあいだでしか話題にしていないはずだった。
「なんで知ってるの」
思わずこぼれた声に、義母はきょとんとしている。
「あら、いつも息子が電話で教えてくれるのよ。今月はいくら貯まった、ボーナスはこう使うって」
隣で夫が、ばつが悪そうに目を泳がせていた。
毎日の電話が漏らしていたもの
帰り道、私は努めて冷静に切り出した。夫は毎晩のように、義母へ電話をかけている。仕事のこと、子どもの学校のこと、その日の出来事を逐一報告しているのは知っていた。
まさか、家計の中身まで筒抜けだったとは思わなかった。
結婚して二十年、私はこの人と二人で家庭を守ってきたつもりだった。
その内側が、知らないうちに毎晩そっくり実家へ流れていたのだと思うと、足元が崩れるようだった。
「私たちの貯金がいくらあるか、どうしてお義母さんが知ってるの?」
「だって、報告しないと母さんが心配するし…」
夫の声は、だんだん小さくなっていく。
「子どもの成績も? 私があなたに相談した悩みも、全部話してたの?」
夫は答えられず、口ごもった。ハンドルを握る手が、こわばっているのが分かった。
「親子仲がいいのはいいことだよ。でも、我が家のことは、まず私たち二人で決めることでしょう」
車内に沈黙が落ちた。夫は信号が青に変わってもすぐには発進せず、しばらくしてようやく口を開いた。
「……ごめん。全部話すのが、当たり前になってた」
後日、再び義実家を訪ねると、義母のほうから苦笑いで打ち明けてきた。
「この子、最近ちっとも家のこと話さなくなってねえ。ちょっと寂しいくらいよ」
その隣で、夫は決まり悪そうに首をすくめている。私と目が合うと、小さく肩をすくめてみせた。
それからの夫は、電話の前にひと呼吸置くようになった。話していいことと、二人だけにとどめておくこと。その区別を、少しずつ覚えていったのだ。
ある晩、電話を切った夫が、私を見てこう言った。
「今の話は、母さんには内緒にしとくよ」
その一言だけで、こわばっていた気持ちがほどけていった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














