「この日の夜、残業だったよね?」夫の上着から出てきた2人分のレシート。だが、説明を聞くと半年間の嘘が崩れた
増えていった「残業」の夜
夫の帰宅が遅くなり始めたのは、半年ほど前のことでした。
それまでは遅くても夜9時ごろには帰ってきていたのに、いつの間にか10時、11時になる日が増えていきました。休日にも「少し会社に行ってくる」と出かけることがあります。
「最近、本当に忙しいんだね」
私がそう言うと、夫は決まって同じように答えました。
「人が足りなくてさ。しばらくこんな感じだと思う」
仕事なら仕方がない。そう思おうとしていました。
ただ、以前とは違うことがもう一つありました。夫がスマホを常に手元に置くようになったのです。
食事中でも画面が光るとすぐに確認し、私が近くにいると伏せて置くこともありました。
「誰から?」
「会社だよ」
聞いても、それ以上は話しません。
疑いたくはありませんでした。それでも、小さな違和感が少しずつ積み重なっていきました。
上着から落ちた一枚のレシート
ある朝、夫の上着を洗濯しようとポケットを確認していると、一枚のレシートが床に落ちました。
何気なく拾った私は、そこに記された日付を見て手を止めました。
夫が「残業で遅くなる」と連絡してきた日のものだったのです。
店は会社の近くではなく、少し離れた場所にあるレストラン。レシートには同じコース料理が2人分記載され、会計はおよそ2万円になっていました。
もちろん、同僚との食事だった可能性もあります。
私はすぐには問い詰めず、レシートを保管しました。そして、それまで夫から届いていた「残業」「休日出勤」というメッセージの日付も、あらためて確認してみたのです。
すると、遅く帰った日の中には、夫が説明していた仕事の予定とどうしても合わない日がいくつかありました。
週末の夜、私は夫が帰宅して落ち着いたところでレシートをテーブルに置きました。
「これ、上着に入ってたんだけど」
夫はレシートを見るなり、一瞬黙りました。
「この日の夜、残業だったよね?」
「……会社の人と飯を食べただけだよ」
「そうなんだ。じゃあ、どうして残業だって言ったの?」
夫は目をそらしました。
「仕事が終わってから行ったんだよ」
「でも、この日は夜8時前に会計してるよね。あなた、10時過ぎまで会社にいるって連絡してきたよ」
レシートには会計時刻も残っていました。
夫はしばらく黙り込みました。
私は責め立てず、これまで気になっていたことも順番に尋ねました。休日出勤と言っていた日のこと。急に増えた帰宅の遅さ。スマホを隠すようになったこと。
そのたびに夫の説明は少しずつ食い違っていきました。
やがて夫は大きくため息をつき、うつむきました。
「……会社の人と会ってた」
「いつから?」
「半年くらい前から」
その言葉を聞いた瞬間、不思議なくらい頭は冷静でした。
一度の食事よりも、半年間「残業」「休日出勤」と嘘を重ねられていたことのほうが、私には重く感じられました。
「一度、これからのことをちゃんと話したい」
その日はそれ以上結論を急がず、後日あらためて話し合いました。
夫婦として信頼を戻すことは難しいと判断し、最終的に私たちは離婚することになりました。
何気なく見つけた一枚のレシート。それ自体がすべての証拠だったわけではありません。ただ、半年間感じ続けていた違和感と、夫の説明の矛盾を確かめるきっかけにはなったのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














