「玄関の音でわかるの」出入りのたびに顔を出す隣人。だが、戸惑った私が管理会社に相談した結果
出かけるたびに現れる隣人
私が今のマンションに引っ越してきたとき、隣の部屋には50代くらいの女性が住んでいました。
明るくて話し好きな方で、廊下で会えばいつもにこやかに挨拶をしてくれます。
最初のうちは、感じのいいお隣さんだと思っていました。
けれど、暮らし始めてしばらくすると、気になることが出てきたのです。私が玄関を開けて外に出ようとすると、ほぼ同じタイミングで隣のドアが開くことが何度もありました。
「あら、いってらっしゃい」
朝の出勤前だけではありません。ゴミ出しのときも、昼にパートへ出るときも、夕方に買い物へ出るときも、まるで待っていたかのように顔を合わせるのです。
最初は偶然だと思おうとしました。ですが、それが何度も続くうちに、だんだん落ち着かなくなっていきました。
ある日、私が「よくタイミングが合いますね」と苦笑いで返すと、隣の女性は悪びれもなく言いました。
「玄関の音でわかるの。鍵の音がしたら、あ、出かけるんだなって」
さらに別の日には、「今日は少し遅いお出かけなのね」「さっきも一度戻ってきたでしょ」と声をかけられたこともあります。
どうやら、ただ挨拶しているというより、私の出入りそのものを気にしているようでした。
もちろん、相手に露骨な悪意があるわけではなかったと思います。ただ、自分の生活の動きを壁一枚向こうで把握されているように感じると、やはり気持ちのいいものではありません。
その頃から私は、外に出るたびにまた顔を合わせるのではないかと身構えるようになりました。自宅から出るだけなのに、少し時間をずらしたり、物音を立てないよう気をつかったりする自分がいて、だんだん疲れてしまったのです。
管理会社に相談した結果
とはいえ、面と向かって「やめてください」と言うのも気が引けました。隣人は一見すると親しみをもって接しているだけで、こちらが神経質すぎるように思われそうだったからです。
それでも、このまま我慢を続けるのはつらいと感じ、私は管理会社に相談することにしました。
担当の方は事情を丁寧に聞いてくれたうえで、「個人を特定しない形で、住民同士の距離感について注意喚起してみます」と言ってくれました。
その後、管理会社から住民へ向けて、「ほかの入居者の生活に過度に踏み込まないように」「廊下や共用部では適度な距離感を保ってほしい」という趣旨の案内が入りました。
すると、その翌日から状況が変わりました。私が玄関を開けても、以前のように隣のドアがすぐ開くことはなくなったのです。
廊下でたまたま会えば、これまで通り軽く挨拶は交わします。けれど、わざわざ出てきて声をかけられることはなくなりました。
ほんの少しのことのようでいて、その変化は私にとってとても大きなものでした。誰かに出入りを意識されているかもしれない、という落ち着かなさがなくなっただけで、自宅での気持ちがずいぶん楽になったのです。
親しさと干渉は、似ているようで違うのだと思います。近所づきあいは大切ですが、相手が心地よいと感じる距離を越えてしまえば、それは負担にもなってしまうのだと感じた出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














