tend Editorial Team

2026.07.31(Fri)

「肩書きで態度は変えてほしくなかった」両家顔合わせで父の職業を持ち上げる義父。私が夫に打ち明けた本音とは

「肩書きで態度は変えてほしくなかった」両家顔合わせで父の職業を持ち上げる義父。私が夫に打ち明けた本音とは

初めての席で

結婚を前にした顔合わせの日、私は少し緊張しながら料亭へ向かいました。

夫となる人の両親ときちんと向き合うのは、その日が初めてだったからです。

私の父は、ある専門職を長く勤め上げてきました。とはいえ収入がとりわけ多いわけでもなく、ごく平凡な暮らしを続けてきました。

席につき、料理が運ばれ、はじめは当たり障りのない世間話が続いていました。

空気が変わったのは、義父が父の仕事を耳にした、その瞬間だったのです。

三度のお酌

義父は身を乗り出すと、父の盃に酒を注ぎました。

父がまだ飲み干してもいないのに、二度目、三度目と、続けざまに瓶を傾けていきます。

「そんなご立派なお仕事とは。いやあ、我が家には過ぎた御縁ですよ」

父の肩書きを、義父は何度も口にして持ち上げました。

父が恐縮して手を振っても、その称賛はやむ気配がありません。

3杯も続けて注がれた父は、すっかり困り果てた様子でした。

私は隣で、その光景をただ見ていることしかできなかったのです。

義父の声はだんだん大きくなり、まわりの仲居さんまで手を止めて振り返るほどでした。

もてはやされればされるほど、父の背中が縮こまっていくのが、隣にいてよく分かりました。私は膝の上で、そっと手を握りしめていることしかできませんでした。

ずっと引っかかる本音

もてなしのつもりなのだろう、と頭では分かっていました。

それでも、仕事の肩書きひとつで態度をここまで変える人なのだと知って、胸がざわついたのです。

もし父がありふれた職に就いていたら、この人は同じように笑ってくれただろうか。

そんな意地の悪い問いが、頭から離れませんでした。

人を肩書きで測るような目を、これから何度も見ることになるのかと思うと、気が重くなったのです。

帰り道、私は夫にだけ、正直な気持ちを打ち明けました。

「肩書きで態度は変えてほしくなかった」

夫は「親父なりに気をつかったんだよ」と笑っていました。悪気がないのは、私にもよく分かっています。

だからこそ、この引っかかりを誰にぶつけることもできません。うまく言葉にならない本音だけが、今も私の中で、そっとくすぶり続けています。父を大切に思う気持ちと、義父へのささやかな不信とが、いつまでも胸のなかで折り合わずにいるのです。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.16(Wed)

「5千円もしたのに」香水の匂いが残る服を返品しようとした女性。店長が譲らなかった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.09.16(Wed)

「もう、うるさいねえ。本当にダメな子ね!」3歳の息子に向けられた義母のきつい一言。黙っていられなかった私が伝えた気持ち
tend Editorial Team

NEW 2026.09.16(Wed)

「正直、かなりショックだった」仲良しだと思っていた母親仲間。誤送信された1枚に、私の家庭の話が並んでいた
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.08.25(Mon)

ひろゆき氏「若者は有料コンテンツを見ない」松本人志の挑戦は『修羅の道』か?その分析に様々な意見が
tend Editorial Team

2025.10.22(Wed)

【速報】『VIVANT』続編は2026年1月始動。国家の陰謀描く大作、豪華26名の新キャスト発表で「これは楽しみ!」と話...
tend Editorial Team

2025.10.31(Fri)

立憲民主党・蓮舫氏、高市首相の飛び跳ねる姿に「とても残念です」と苦言。ネットでは「確かに、異常にはしゃいでいた」と共感の...
tend Editorial Team