「一枚くらいいいじゃん」断っても家族の写真を求める同僚。上司に相談して変わった距離
断っても、「心配してるだけ」と返された
前の職場で、同じチームの男性社員との距離の取り方に困ったことがある。きっかけは、私が仕事のことで一度相談したことだった。
最初は普通に話を聞いてもらっただけだった。ところが、それから少しずつ、仕事とは関係のない連絡が増えていった。
休日にもメッセージが届き、返さずにいると、休み明けに理由を聞かれた。
「昨日、連絡したんだけど。忙しかった?」
「休みの日だったので、あまり見てなくて」
「そっか。でも返事がないと、ちょっと心配になるんだよね」
返せば返したで、そのまま会話が長く続いた。
何度か「仕事以外の連絡は控えてほしい」と伝えたが、そのたびに彼は少し困ったような顔をした。
「そんなに嫌がらなくてもいいじゃん。心配してるだけだから」
そう言われると、こちらが冷たくしているような気分になった。
そのうち、聞かれる内容も変わっていった。実家はどのあたりなのか、休日は誰と過ごしているのか。最後には、家族の写真まで求められた。
1度目は昼休みだった。
「家族ってどんな人?写真とかないの?」
「ありますけど、見せないですよ」
冗談っぽく返したつもりだったが、彼は笑いながら続けた。
「えー、一枚くらいいいじゃん」
2度目は退勤の直前だった。
「そういえば、この前言ってた家族の写真。やっぱり見せてくれないの?」
「はい。そこはちょっと…」
「そんなに嫌なんだ」
その言い方に、私は返事をしなかった。
3度目は、コピー機の前で資料をそろえているときだった。
「ねえ、家族の写真、今度こそ見せてよ」
私は振り返って、今度ははっきり答えた。
「何度も言っていますけど、見せません」
彼は少し意外そうな顔をした。
「そんなに見せたくないもの?」
「家族のことは、仕事と関係ないですよね」
「いや、変な意味じゃないよ。心配してるだけだから」
そのころには、「心配」という言葉を聞くこと自体が嫌になっていた。
さらに、休みの日に自宅近くの通りで彼を見かけたこともあった。
向こうも私に気づき、「あれ、こんなところで会うんだ」と笑った。
本当に偶然だったのかもしれない。それでも、それまでのやり取りが重なっていたため、私は素直にそう受け取れなかった。
メモを見せると、主任の表情が変わった
自分だけで対応するのはもう難しいと思い、週明けの月曜日、主任に相談した。
感情だけで話すと自分でも混乱しそうだったので、休日の連絡や写真を求められた日、自宅近くで会ったことなどを、覚えている範囲でメモにして持っていった。
主任はしばらく黙って読み、途中で顔を上げた。
「写真のこと、三回聞かれているんですね」
「はい。断ってるんですけど、また聞かれて…」
「休日の連絡もずっと?」
「返さないと、休み明けに聞かれます。最近は、通知が来るだけでちょっと嫌で…」
口にすると、自分でも思っていた以上に声が小さくなった。
主任はメモを机に置いた。
「分かりました。もう一人で対応しなくて大丈夫です」
その一言で、少しだけ肩の力が抜けた。
主任は課長にも内容を共有し、その日のうちに男性社員とも別室で話をした。
詳しいやり取りまでは聞かなかったが、その後、主任から説明があった。
「仕事と関係のない連絡や、個人的な質問は控えるように伝えました。しばらく、仕事のやり取りも必要なら私を通してください」
「ありがとうございます」
それだけ言うと、ようやく少し息がつけた気がした。
翌日から、彼と直接やり取りする場面は減った。必要な確認があるときは主任を挟む形になり、休日の連絡も来なくなった。
その週の金曜日には、座席を変更すると知らされた。
翌週出社すると、彼の席は私との間に二つの席を挟む位置へ移っていた。
主任が私の席まで来て、小さな声で言った。
「席も離しました。もしまた何かあったら、すぐ言ってくださいね」
「はい。ありがとうございます」
彼はその後、仕事に必要なこと以外では私に話しかけてこなくなった。
急にすべてを忘れられたわけではない。それでも、休日にスマートフォンが鳴るたび身構えることはなくなった。
数か月後、私は転職した。
あの出来事以来、仕事上で親切にしてもらうことと、私生活まで踏み込まれることは別なのだと、以前より意識するようになった。
「心配している」と言われても、自分が嫌だと感じたことまで受け入れる必要はない。今はそう思っている。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














