出典:近藤健介インスタグラム(kensuke89kondoh)
無安打の天才打者に突きつけられた代打の非情宣告とベンチでの孤独
オーストラリアを下し、全勝で1次ラウンド首位通過を決めた侍ジャパン。歓喜に沸くスタンドとは対照的に、東京ドームのベンチには、これまでに見たことのないような表情で戦況を見つめる背番号8の姿がありました。
福岡ソフトバンクホークスで打撃3部門のタイトルを独占し、NPB最高年俸を誇る近藤健介選手が、深刻な不振にあえいでいます。ここまで3試合で12打数ノーヒット。卓越した選球眼とバットコントロールで安打を量産してきた天才が、WBCという大舞台で完全に沈黙しているのです。
象徴的だったのは8回裏の攻撃でした。追加点のチャンスで打席が回ってきた近藤選手に対し、井端弘和監督が告げたのは代打・森下翔太選手。ペナントレースであれば考えられないような、まさに屈辱とも言える交代劇です。最強打者の看板を背負う彼にとって、この決断は事実上の戦力外通告にも等しい重みを持っていたはずです。
この場面を独占配信するネットフリックスのカメラは、残酷なまでに近藤選手の表情を追い続けました。うつむき、瞳を潤ませているようにも見えるその姿が何度もアップで映し出される演出に、SNS上ではファンから困惑と怒りの声が次々と上がりました。
『こういうときの近藤さんのアップばかり映さないで、ネトフリ』
『ここで、近藤を抜きまくるカメラワークは悪意しか感じないのよ。 悔しがってる選手を抜きまくって何がしたいのか』
『近藤選手をあんなに長々とアップにしないといけないの!うつしても一瞬でいいっしょ!非情な演出』
視聴者の多くは、不振に苦しむスター選手を晒し者にしているかのような映像制作に不快感を抱いたようです。しかし、現場を知るスポーツ関係者の見方は少し異なります。これほどの実績を持つ打者が、勝負どころで代打を送られること自体が野球界における大事件であり、その衝撃を伝えるためには、彼の苦悩を映し出す必要があったというのです。
思えば2009年大会でも、イチロー氏が極度の不振に陥り、その苦悶の表情が連日お茶の間に届けられました。しかし、そのどん底があったからこそ、決勝での伝説的な勝ち越し打が日本中の記憶に刻まれるドラマとなったのも事実です。今回の演出も、後に訪れるであろう復活劇への伏線、いわゆるフラグとしての意図が含まれているのかもしれません。
大谷翔平選手らメジャー組がマークされる中、最後にチームを救うのは、この悔しさを糧にした球界最強打者の一振りであると信じたいものです。














