「恩知らずが!」県大会の学童新記録を出した娘の移籍を伝えたら…小さな水泳クラブの豹変コーチと、そこから逃げ出した私たちの結末
手のひらを返した指導者
私が30代だった頃の、今でも忘れられない出来事です。
当時、小学生だった娘は、地元にある古びた市民プールの水泳クラブに通っていました。
体力作りになればと始めた水泳ですが、娘には私の想像をはるかに超える才能が眠っていたのです。
ある地方大会でのこと。
水しぶきを上げてゴールした娘のタイムを見て、会場がどよめきました。
なんと、県大会の学童新記録を叩き出したのです。
名もなき小さなクラブから突如現れたトップスイマー。
その日から、私たち親子の生活は一変しました。
すぐに、設備の整った大手スイミングクラブからスカウトの声がかかりました。
娘の将来の可能性を広げるため、私たちは前向きに移籍を決断したのです。
しかし、ここからが地獄の始まりでした。
お世話になった元のクラブへ、感謝の気持ちと共に退会の挨拶に向かった日のことです。
深く頭を下げた私に向かって、いつもは温厚だったコーチが鬼の形相で怒鳴り声を上げました。
「恩知らずが!誰がここまで育ててやったと思ってるんだ!」
それからのコーチによる嫌がらせは、想像を絶するものでした。
「あそこの家は裏切り者だ」と町中に悪評を流され、娘の荷物は外へ放り出される始末。
狭い田舎のコミュニティでは悪い噂はあっという間に広まり、どこへ行っても冷たい視線を感じるようになりました。
才能を伸ばそうとしただけなのに、なぜこんなひどい目に遭うのでしょうか。
息苦しい町からの脱出
娘から笑顔が消えていくのを見て、私はある決断を下しました。
私たちは逃げるように、その田舎町を離れて都会へと引っ越すことにしたのです。
都会の新しいクラブへ移り、私は驚きを隠せませんでした。
「レベルに合わせてクラブを変えるなんて、ここではごく普通のことですよ」
新しいコーチは、あっけらかんとそう笑ったのです。
選手の成長に合わせてより良い環境を求めるのは、当たり前のステップアップ。
誰も私たちを裏切り者などと呼びません。
コーチの異常な執着から解放された娘は、再び水の中で輝きを取り戻しました。
のびのびと泳ぐ姿を見るたび、安堵で胸をなでおろします。
もしあのまま、しがらみに囚われてあの町に残っていたら。
あの時、思い切って田舎から出てきて本当に良かった。今でも心からそう思っています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














