「君の分は1850円ね」事務職を見下した自称デザイナー。会計時の姿に思わずドン引き
事務職を見下す隣の男性
合コンで隣に座ったのは、都内の有名美術系大学を出たというフリーランスのデザイナー男性でした。
落ち着いた声色とミステリアスな雰囲気があり、最初は感じの良い人だなと思っていたのです。
けれど私が事務職だと自己紹介した瞬間、彼の態度ははっきりと変わりました。
「ルーチンワークで誰でもできる仕事って、楽でいいですね」
笑顔の奥に冷たい視線が混じっていました。さらに彼はグラスを片手に続けます。
「自分たちはゼロからイチを生み出す選ばれた人間だから、精神的なプレッシャーが違うんだよ」
クリエイティビティという言葉を何度も繰り返し、他の職業を見下す発言を止めません。
同席していた他の男性陣も少し気まずそうにしていましたが、彼は気付かない様子でした。職場の先輩が誘ってくれた席だったので、私は表情を抑えて相槌を打ちながら、心の中で静かに距離を取ることに決めたのです。
10円単位の計算と私の決断
会計の段階になり、先輩が男性陣多めの割り勘を提案すると、彼は伝票を引き寄せ真顔で計算を始めました。
先ほどまでの余裕はどこへやら、自分が口にしたものをひとつひとつ確認しているのです。
「ちょっと待って。俺、お酒は飲んでないし、唐揚げ一個しか食べてないからね」
選ばれた人間と語っていたはずの口から、10円単位の細かい数字が次々と出てきます。そして得意げな顔でこちらを見ました。
「君の分は1850円ね」
私はその瞬間、財布から多めの現金を取り出して先輩に渡しました。
「この方の分もまとめて払います」
先輩が驚いた顔をする中、私は彼の前に立ち、深々と頭を下げてからこう告げました。
「ゼロからイチを生み出すクリエイター様も、10円単位を数えてドヤられるんですね。本当に勉強になりました」
場の空気が完全に凍りつくのが分かりました。
彼は何かを言い返そうとしましたが、視線を伝票に落としたまま、声が出てこない様子です。
周囲の男性陣も気まずそうにグラスを置き、誰も彼の援護をしませんでした。私はそのまま二次会の店へ向かい、追ってきた先輩から「よくやった」と労われたのでした。
立て替えた数千円は、清々しい気分の対価としては安いものだったと、今でも思い出すたびに笑ってしまいます。条件だけで人を見下す相手には、上質な反撃をきっちり置いてその場を離れる。
それが大人の流儀なのだと、その夜の経験で確かに学んだ気がしています。立て替えた数千円は、自分自身を裏切らずに済んだ夜への小さなお祝い金のようなものでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














