「え、ケンカしてたんじゃないの?」夏明けのバイト先で変わっていた関係→もう戻れないと気づいた瞬間
夏休みのケンカが、最後の場面になった
大学3年のあの夏を、今でも折に触れて思い出す。
同じバイト先にいた1つ下の後輩は、同じ大学の男の子だった。はっきり付き合っていたわけじゃない。
シフトが重なれば話して、帰り際に少し並んで歩く。そういう関係が数ヶ月続いていた。
次のシフトが楽しみだった。
休憩に入るタイミングが合うと、なんとなく嬉しかった。
それが恋愛なのか、ただの仲の良さなのか、当時の私にはっきりした名前はつけられなかったけれど。
夏休みに入って彼が地元に帰り、共通の知り合いを含めた飲み会があった。久しぶりに会えて嬉しかったはずなのに、その夜は些細なことでケンカになった。
何がきっかけだったのかも、今となってはよく思い出せない。
「また普通に話せるよね」と思っていた。秋になってバイトが再開すれば、きっと元に戻ると信じていた。
バイト仲間から届いた一言
夏明けに久しぶりに出勤すると、バイト仲間のひとりが声をかけてきた。
「え、ケンカしてたんじゃないの?」
何のことかわからなかった。
聞けば、彼がバイト中に「ほかの子とデートしてきた」と話していたらしかった。
さらっと、他の近況と混ぜるように。
胸の中で何かがすとんと落ちる感覚があった。
あのケンカは、私が思っていた以上の意味を持っていたのかもしれない。
もしくは、意味なんてはじめからなかったのかもしれない。どちらにせよ、もう確認する術もなかった。
戻れないと気づいた瞬間
その日、彼と目が合ったとき、彼は普通に笑いかけてきた。悪気のある顔じゃなかった。だからこそ余計に、自分だけがずれたところにいるような気がした。
(私だけが、何かを引きずっていた)
仲良しだと思っていたのは本当だ。でも、お互いにとってその関係が何だったかは、最後まで確認しないままだった。
夏が終わり、秋のシフトが続き、その年度が終わる頃には彼とはほとんど話さなくなっていた。
誰かに責める気持ちもない。ただ、あの夏の飲み会の夜と、バイト仲間から聞かされた「え、ケンカしてたんじゃないの?」というひと言が、長い時間を経た今も妙にはっきりと残っている。
戻れないと気づいたのは、ずいぶん経ってからのことだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














