「もうお会いすることはございません」マッチングアプリで知り合った既婚男に告げた一言→断れたのに消えない葛藤
「もうお会いすることはございません」と言えた日
その言葉を口にしたとき、声は思ったより落ち着いていた。
「もうお会いすることはございません」
マッチングアプリで数か月やりとりを続けた男性と、初めて会った食事の席だった。
穏やかな雰囲気で話していたのに、デザートを注文した後に突然「実は結婚しているんですよね」と打ち明けられた。
既婚者だとわかった瞬間、迷わず告げた言葉だった。
きっぱり断れた。
それは間違いない。でも、帰り道から今に至るまで、釈然としない気持ちが消えないでいる。
店を出てから駅まで歩く間、ずっと頭の中で整理しようとしていた。
数か月のやりとりを思い返すと、おかしな点がひとつもなかったわけではなかった。
連絡が途絶えがちな時間帯があった。土日に会えない理由も、いつも「仕事の都合」だった。
気づこうと思えば、気づける材料はあったのかもしれない。
消えないのは違和感を流した自分への問いかけ
食事の途中、男性がスマートフォンを頻繁に確認していた。
確認するたびに表情がわずかに変わる。
大した違和感ではなかった。でもたしかに引っかかっていた。
「仕事かもしれない」と自分に言い聞かせて流した。
あのとき、その違和感に向き合えていたら、もっと早く疑問を口にできたかもしれない。
初めて会う席まで来ることもなかったかもしれない。
男性は「家庭とはうまくいっていない」と言っていた。
声は穏やかで、悪びれる様子もなかった。
数か月のやりとりの間、一言も触れてこなかったのに、対面の席でさらっと言う。
どんな気持ちで毎日連絡を取り続けていたのか、今も想像がつかない。
(なんで最初から言わなかったのか)
怒りより先に、ゾッとする感覚が来た。
この人はアプリで連絡を取り続けながら、ずっと何を考えていたのだろう。
その問いには今も答えが出ない。
席を立つときも、男性は特に引き留めなかった。
ただ、「そうですか」とだけ言って視線を落とした。
その反応もまた、引っかかった。
驚いた様子もなく、慣れているように見えた。もしかしたら、断られることも想定していたのかもしれない。
断れたことは正解だった。
はっきり伝えて席を立てた。
でも、最初の小さな引っかかりを自分で消してしまったこと。
そこに向き合うたびに、また新しいモヤモヤが浮かんでくる。
スカッとしきれない理由は、相手ではなく自分にあるような気がして、それがいちばん答えにくかった。
次は違和感を大切にしよう。そう思いながら、今もまだ整理がつかないまま時間が過ぎている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














