「は?早くしろよ、使えねえな」店員に20分キレ続けた彼女→友人と彼女の食事会で別れを決意
居酒屋で響いた、彼女の本性
3年付き合った彼女は、いつも俺には穏やかで優しい人だった。
デートのたびに笑顔で、連絡も途絶えない。傍から見ればうまくいっている関係だったと思う。
でも、外に出るたびに引っかかる場面が増えていった。
仕事帰りに寄った居酒屋で、料理がなかなか出てこなかった夜。彼女は新人のアルバイトに向かって、刺すような声を投げつけた。
「は?早くしろよ、使えねえな」
その一言から20分、彼女は店員が謝りに来るたびに同じ調子で詰め続けた。
アルバイトの若い男の子は顔を真っ白にして頭を下げ続けていた。
隣のテーブルの客がチラチラとこちらを見ていた。俺だけが彼女の隣でビールを握りしめていた。
レジで彼女が会計を終えるとき、店長らしき人がもう一度頭を下げに来た。彼女はその目を見ようともせず、舌打ち一つで店を出た。
歩道に出た瞬間、彼女はにっこり笑ってこちらに腕を絡めてきた。背中がぞっとした。
縁を切ると決めた、共通の友人との食事
決定的だったのは、その翌週の共通の友人を交えた4人での食事だった。
彼女の発言は二人きりのときと明らかに違っていた。話を盛り、自分をよく見せようと言葉を選んでいた。
(演技してたのは、俺の前だけじゃなかったんだ)
俺の中で、何かがぷつりと切れた音がした。怒りでも悲しみでもなく、ただ冷静に整理がついた感覚だった。
帰り道、答えはもう出ていた。3年付き合った相手だが、店員に「使えねえな」と吐ける人間と一生いるつもりはなかった。
翌週、「もう続けられない」と伝えた。彼女は突然泣き出し、「私が何をしたっていうの」と繰り返した。
その姿を見ても、胸は動かなかった。あの居酒屋のアルバイトに向けた目を見てしまった後では、涙も計算に見えてしまった。
縁を切った夜に残ったもの
友人に報告すると「前から何か違うと思ってた」と返ってきた。
自分だけが気づいていなかったのかと苦笑いしたが、解放感のほうが圧倒的に勝っていた。
店員に「使えねえな」と平気で言える人間が、特定の誰かにだけ誠実でいられるはずがない。それは関係が深まるほどじわじわと表れてくる。3年かかってようやくその当たり前を実感として理解した。
別れを告げた夜、自宅でひとり缶ビールを開けた。あの居酒屋で握りしめていたビールよりも、ずっとうまかった。
一気にほどけていく重さの正体は、誰かの本性を見ながら黙っていた自分への自己嫌悪だったのかもしれない。
きちんと自分の感覚を信じてよかったと、今でもそう思っている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














