「またトイレか」15分のトイレ休憩を45分おきに繰り返す同僚。電話を一人で捌き続ける契約社員の私に残るモヤモヤ
時計のように繰り返される休憩
「またトイレか」
これは前の職場での話だ。
同じ部署に、総合職の正社員がいた。
その人は、45分おきに席を立ってトイレへ向かい、15分ほどして戻ってくるという行動を毎日繰り返していた。
朝から夕方まで、リズムに狂いはほとんどない。
最初のうちは偶然かと思っていたが、日が経つにつれ、それが習慣であることが分かってきた。
体調面で何か事情があるのかと思い、上司に聞いてみたことがある。返ってきた返事は「特に持病などはない」だった。
では、あの時間は何なのか。答えは出ないまま、日々が続いた。
「持病もないのに」そう思いながらも、何も言える立場ではなかった。
私は契約社員で、相手は正社員。職場の構造上、指摘できる話ではない。呑み込んで、自分の仕事をこなし続けた。
積み重なる代理応答
影響が出てきたのは、電話対応の場面だった。
その同僚が席を外している時間に電話が鳴ると、受けるのが私になることが多かった。
一度や二度ではなく、1日のうちに何度もそれが繰り返された。自分の作業を中断して受話器を取り、対応を終えてまた戻る。
次の電話が来たら、また中断する。
その繰り返しが積み重なっていく。作業の途中で止まることで、戻るまでにも余計な時間がかかった。
同僚が席にいれば本人が出るべき電話を、離席のたびに引き受ける形が続いた。
業務時間は同じなのに、動いている密度が明らかに違う気がした。そのことが少しずつ、胸の奥に積もっていった。
給与という数字の重さ
雇用形態が違えば給与に差があるのは、理屈では分かっていた。契約社員として働く時点で、そこは理解していた。
ただ実際の場面を振り返ったとき、離席の多い同僚と、その間を埋め続けた自分との対比は、どうしても腑に落ちないものを残した。
自分の仕事に加えて相手の分まで電話を受け、それでも評価の基準は雇用形態で決まる。
その現実を変えることは、私にはできなかった。制度の問題だと切り離せれば楽だったが、なかなかそうはいかなかった。
その会社は別の事情で辞めることになった。今は引きずっていない。
相手に悪意があったわけでもないし、制度の問題だという理屈は分かっている。それでも、あの時間帯に感じていた小さなモヤモヤは、言葉にしにくいまま残っている。規則正しく空になる席と、鳴り出す電話の音が、今でも記憶の隅にひっかかっている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














