「あなたのことしか見えないんです」断り続けた年下の同僚から深夜に届いた言葉。だが、彼が最後に選んだ相手は
繰り返された告白
15年前のことを、今では少し遠くから眺めるように語れる。
異動先の職場に、同じく異動してきた年下の同僚がいた。
寡黙で、落ち着いた雰囲気の人だった。慌ただしい職場環境の中で、残業後に食事を共にしたことも何度かあった。
そういった時間が積み重なっていく中で、ある日告白を受けた。
当時は別に好きな人がいたし、職場での関係を守りたかった。きっぱりと断った。
ところが月を挟んで同じことが続いた。その状態が、数年にわたって繰り返された。
職場では笑顔を保ち、距離感を保って接し続けた。穏やかに見えていたとしても、内側では少しずつ疲弊していた。
毎回断るたびに、罪悪感のような感情がついて回ってくるのも正直なところだった。相手が職場の人間でなければ、もう少し違う対処ができたかもしれない。
深夜に届いた声
深夜に彼から電話がかかってきたのは、そんな日々の末のことだった。
「あなたのことしか見えないんです」
声には切迫した響きがあり、過激な言葉が混じっていた。
気持ちが動揺しながらも、静かに話し続けた。
明け方近くまで電話は続いた。翌日も仕事には出た。逆上させないよう、表情を変えずに接することを心がけた。会話が少しでも穏やかに終わるよう、言葉を選び続けた。
ある残業の夜、二人きりになったとき、彼がトイレに立った。その隙間に携帯の画面が目に入った。
私の後ろ姿や持ち物が、画面いっぱいに収まっていた。いくつも、何枚も。静かに視線をそらした。
その瞬間から、体の奥が冷たくなった気がして、なかなか離れなかった。誰にも言えなかった。あの夜のことが、しばらく頭から離れなかった。
やがて訪れた終わり
しばらくして、彼に強く惹かれている女性が職場に現れた。
明るく前向きで、彼に真剣に関わろうとしている様子だった。彼から相談を受けたとき、その縁を大切にするよう伝えた。
数日間迷いを抱えながらも、彼は彼女と付き合い始めた。
それを境に、自然に距離が生まれ、連絡は途絶えた。職場でも互いが別の仕事に向かうようになり、気づけばあの緊張感が消えていた。
今になって思い返すと、あの出口が互いにとって穏やかな終わりだったと感じる。誰かを傷つけずに、日常に戻ることができた。
画面の中で見たものは今でも記憶の端にある。けれど15年という時間が、そこに少しだけ静けさを与えてくれた。あの頃感じていた冷たさが、今はただ遠い。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














