「どうしてそんなに変わったの」受験の失敗から人が変わってしまった親友に、ずっと言えなかった言葉
卒業後も続いていた絆
高校を出てからも、彼女とは頻繁に連絡を取り合っていた。
進路はそれぞれ別れたが、会えば昔と変わらない話ができた。
彼女は高校時代から誰にでも気を使える人で、グループの空気を和らげるのがうまかった。
少なくとも、しばらくはそうだった。
変化のきっかけは大学受験の結果だった。第一志望を外れた彼女は、その春から口調が少しずつ硬くなり、話題の選び方が変わっていった。
以前はあれだけ優しかったのに、会話の中で人を評価するような言葉が増えた。
最初は「落ち込んでいるだけかな」と思って気にしないようにしていた。でも変化は続いた。
言葉の端々に滲む選別
会話に、学歴への言及が増えた。
芸能人の出身大学を調べてはコメントし、アルバイト先の同僚の経歴を話題にし、「やっぱり学歴って出るよね」という言い方が口癖のようになっていった。
聞くたびに胸が重くなったけれど、直接は言えなかった。
友人グループ内でも同じことが起きた。
名の通った大学に進んだ子とはこまめに連絡を取り、そうでない子とは徐々に距離を置く。
その選別が目に見えてはっきりしてきたのは、翌年の夏ごろだった。当時グループのメンバーの一人が「最近あの子、なんか変じゃない?」とぽつりとこぼし、私も同じことを感じていたから何も言い返せなかった。
ある夜、私は彼女に直接聞こうとした。
「どうしてそんなに変わったの」
でも、結局声にはならなかった。
受験の悔しさを抱えた相手にその言葉をぶつけることが、どこかためらわれた。
コンプレックスは本人が一番よくわかっているはずで、外から指摘するのは残酷なように思えた。責めたいわけじゃない。ただ、以前の彼女に戻ってほしかっただけだった。言葉を飲み込んだまま、その夜は終わった。
言えなかった問いと、疎遠になった日々
グループの面々は、ほとんど自然に彼女から離れていった。誰も責めず、誰も責められず、ただ連絡が減り、気づけば会わなくなった。
あるとき共通の知人から「あの子と最近どう?」と聞かれ、「ほとんど話してない」と答えた。知人も同じだった。それだけで、もう戻らないのかもしれないと思った。
離れた後悔はない。
でも今でもたまに思う。あのとき「どうしてそんなに変わったの」と言葉にできていたら、何かが変わっていたかもしれない。
それとも何も変わらなかったのか。受験という一つの失敗が、あそこまで人を変えてしまうことがある。その問いに、まだ答えは出ていない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














