tend Editorial Team

2026.06.24(Wed)

「子供はまだ作らないの?」親戚の集まりで聞いてくる叔母。だが、従姉の正論で論破した瞬間

「子供はまだ作らないの?」親戚の集まりで聞いてくる叔母。だが、従姉の正論で論破した瞬間

逃げ場のない質問

親戚が二十人ほど集まる、年に一度の食事会だった。座敷には料理が並び、久々の顔合わせに笑い声があふれていた。

その和やかさを破ったのは、向かいに座る叔母だった。

「子供はまだ作らないの?」

会うたびに繰り返される質問に、私は内心ため息をついた。結婚して数年、この人はいつもここから話を始める。

「まだ、考え中でして」

「考え中って、悠長なこと言ってる場合じゃないでしょ。」

周りの親戚が一斉にこちらを向いた気がして、私は耳が熱くなった。何を言っても深掘りされるだけだとわかっていたから、ただ苦笑いを返すしかなかった。

薄くなる笑顔

叔母の質問は、一度では終わらなかった。料理が出てくるたびに、同じ話題が形を変えて飛んでくる。

「親御さんも孫を楽しみにしてるでしょ」

「うちの娘なんて、結婚してすぐだったわよ」

そのたびに、私は曖昧にうなずいて、お茶で口を湿らせた。否定すれば波風が立つ。かといって、適当な約束もできない。逃げ道のない問いに、私の笑顔はどんどん薄くなっていった。

家庭の事情は、人それぞれだ。それを親戚一同の前で問い詰められる筋合いはない。

頭ではそう思っても、年上の親戚に正面から言い返すのは、私にはどうしてもできなかった。ただうつむいて、時間が過ぎるのを待つしかなかった。

困り果てた私の様子に、叔母はまるで気づかない。むしろ調子づいたように、声を一段大きくした。

「みんなも気になってるのよ。予定があるならあるって、はっきりしなさいよ」

真顔の論破

その瞬間、隣の従姉が箸を置き、まっすぐ叔母を見た。

「叔母さん、今は多様性の時代だよ」

「子供のいない人生を選ぶ人もいるよ」

場の空気が、ぴたりと止まった。叔母は虚をつかれた顔で、口ごもる。

「だ、だって、心配だから言ってるだけで……」

その弁解に、従姉は表情ひとつ変えずに続けた。

「デリケートな質問を人前で繰り返すのは、ハラスメントになりかねないよ。気をつけた方がいい」

正論を真顔で突きつけられ、叔母の顔がみるみる赤くなった。にぎやかだった座敷は静まり返り、二十人の視線が一斉に叔母へ注がれる。

「……そう、よね。ごめんなさい」

そう絞り出すと、叔母は決まり悪そうにうつむき、そのまま黙り込んでしまった。少し離れた席の親戚が、小さく頷いているのが見えた。誰も叔母をかばわなかった。

その後、叔母が子供の話を持ち出すことは二度となかった。むしろ私と目が合うと、気まずそうに視線を泳がせる。

守ってくれた従姉に、私は心からの礼を伝えた。長年のわだかまりが、ようやく晴れた一日だった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.26(Sat)

「客に分かるようにしとけよ」と数分続いた怒鳴り声…震える店員を前に僕が声をかけた理由
tend Editorial Team

NEW 2026.09.26(Sat)

「奥さんは働いてるの?娘さんは何年生?」休日にも連絡してくる同僚から届いた一文に、既読をつけられない夜
tend Editorial Team

NEW 2026.09.26(Sat)

「無理して食べなくてもいいんじゃない?」自分の皿を食べ終えた男性が彼女のパスタに手を伸ばした結果
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.05.28(Thu)

「自分の発表として出すつもりだ」半年作った企画書を奪った課長。だが、私が仕掛けた罠で形成逆転
tend Editorial Team

2026.06.19(Fri)

「前の席って決めてたのよ。早くどいてもらえる?」遠足のバスで席を奪うママ。だが、先生の一言で言葉を失った
tend Editorial Team

2026.03.23(Mon)

「新庄JAPAN…大賛成!」「正直とても面白い人選」と期待の声相次ぐ。新庄剛志、侍ジャパン次期監督候補に推されるもSNS...
tend Editorial Team