「シカトするお前が悪い、弁当を作れ」夫との何気ない喧嘩。だが、妻が弁当を作るのをやめた結果
「手伝って」の一言も届かない
朝は洗濯、掃除、風呂洗い。節約のためにエアコンも我慢して、私は一日中家の中を動き回っていました。
昼には決まって、夫から「今日も弁当ありがとう」とメッセージが届きます。
感謝されるのは嬉しい。
でも、帰宅した途端の「疲れた、暑い」の連発には、正直うんざりしていました。
私だって疲れているし、暑いのは同じ。
ある日曜、乾かない洗濯物を抱えて一人でコインランドリーへ行き、帰ってみると、夫はソファでのんきにテレビを見ていました。
「ねえ、たまには手伝ってくれない?」
私が声をかけても、夫は画面から目を離しもしません。
「仕事もして疲れてるんだよ」
「そういう問題じゃないでしょう」
「じゃあ、どういう問題だよ」
その突き放した言い方で、私の中の何かがぷつりと切れました。
空っぽの食卓と、白旗
翌日から、私は手を止めました。弁当も夕飯も作らず、風呂も沸かさない。仕事のある私は、夫の帰宅前に家を出て、顔も合わせません。
口も利かず、目も合わせない。そんな日が三日、続きました。
最初、夫は強気でした。何も並ばない食卓を前に、こう言い放ったのです。
「シカトするお前が悪い、弁当を作れ」
作ってもらって当たり前、という顔。
私はメッセージにも返事をせず、ただ黙って家を出続けました。
顔を合わせれば、また「作って当然」と言われるだけ。
私は夫の帰宅時間を避け、朝も夜も、すれ違うように暮らしました。
けれど、3日ぶんの弁当も夕飯もない生活は、思った以上に夫にこたえたようです。
毎晩のコンビニ弁当と、たまっていく洗い物。しわの寄ったシャツ。
シンクには洗い物が積み上がり、床には脱ぎっぱなしの服。当たり前に整っていた家が、たった三日で見る影もなくなりました。それを回していたのが誰なのか、夫はようやく気づいたのです。
三日目の夜、帰宅した私に、夫がぽつりと切り出しました。
「……なあ、もう勘弁してくれ」
「勘弁って、何を?」
私が静かに聞き返すと、夫はきまり悪そうに頭をかきました。
「俺が悪かった。弁当も、家のことも、当たり前じゃなかった」
ついに白旗を上げたのです。ずっと私を見下していた人が、たった三日で音を上げました。私は「そう」とだけ返します。機嫌を取るつもりも、大げさに許すつもりもありません。
あの日から、夫は自分の食器を下げ、洗濯物にも手を伸ばすようになりました。「作って当然」だったはずの食卓に、少しずつ、静かな変化が生まれています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














