「今日は奥さん来てへんの?」正月の集まりで何気なく聞いた夫。だが、その場の空気が重くなってしまったワケ
いつもの場所だけ、座布団がなかった
夫の実家では、毎年正月になると親戚が集まります。
いとこ夫婦やその子どもたちもやって来るため、座敷には朝から座布団や料理が並べられていました。
その年も私たちが到着すると、すでに何人かの親戚が集まっていました。
ところが座敷に入ったとき、私は少しだけ違和感を覚えました。
毎年、夫のいとこの隣に座っている奥さんの姿がありません。そこには座布団も用意されていませんでした。
「今日は奥さん、あとから来るのかな」
私は小声で夫に聞きましたが、夫も事情を知らないようで、首をかしげるだけでした。
仕事か何かで遅れているのだろう。私はその程度に考え、そのまま料理を運ぶのを手伝いました。
夫の何気ない一言で、空気が変わった
昼になり、全員で食卓を囲みました。
しばらくは子どもの学校の話や仕事の近況など、いつもの正月らしい会話が続いていました。
そんな中、夫がいとこに向かって何気なく聞きました。
「そういえば、今日は奥さん来てへんの?」
その瞬間、近くで話していた親戚たちの声が止まりました。
夫もすぐに空気の変化に気づいたようです。
いとこは少し間を置いてから、困ったように笑いました。
「うん。今日は来ないんよ」
それ以上は何も説明しませんでした。
義母がすぐに「お茶入れ直そうか」と話題を変え、別の親戚も子どもたちに声をかけました。
会話は少しずつ戻りましたが、夫はそれ以上、その話には触れませんでした。
帰り際、義母から聞かされた事情
夕方になり、私たちが帰ろうとしたときでした。
玄関先で義母が夫を呼び止め、小さな声で何かを伝えました。
車に乗ってから、夫が申し訳なさそうに言いました。
「去年、離婚したんやって」
私はそこで初めて事情を知りました。
義母は以前、夫にも伝えたつもりだったそうです。しかし夫には話が届いておらず、私も当然知りませんでした。
夫はしばらく黙ったあと、「知らんかったとはいえ、聞かんほうがよかったな」とつぶやきました。
悪気があったわけではありません。知らなければ、いつもいる人がいない理由を聞いてしまうこともあります。
それでも、家族や親戚の事情は、本人が話したくないこともあります。
あの日以来、いつもと少し様子が違っていても、まずは相手から話してくれるのを待とうと思うようになりました。
何気ない一言でも、相手にとっては触れられたくない話題かもしれない。正月の帰り道、そんなことを考えさせられた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














