「座れなくなったら困るから!」降車する人を待たずに乗り込もうとした女性。だが、駅員に戻されたワケ
駅で降りようとしたとき
数年前、妻の親戚を訪ねるため、出かけたときのことです。
親戚の家で一泊した翌日、私たちは電車に乗りました。
途中の駅で別の路線に乗り換える予定でしたが、乗っていた電車はその駅が終点でした。
到着が近づくと、車内では乗客たちが荷物をまとめ始めました。
私と妻も旅行かばんと手提げ袋を持ち、ドアの近くで停車を待っていました。
電車がホームに入り、ゆっくりと停車します。
ドアが開いたため、私が先に降りようと一歩踏み出した、そのときでした。
ホームで待っていた年配の女性が、降りる乗客を待たずに車内へ入ってきたのです。
女性は空いている座席を見ながら、こちらへ向かって真っすぐ進んできました。
狭いドアの前で私の旅行かばんと女性の肩がぶつかりそうになり、私はとっさに足を止めました。
「すみません。先に降ります」
そう声をかけましたが、女性は少し体を横にしただけで、そのまま私たちの脇を通り抜けようとしました。
後ろには、まだ何人もの乗客が降りる順番を待っています。
「皆さん降りますから、少し待ってください」
私がもう一度伝えると、女性は不満そうな表情を浮かべました。
「座れなくなったら困るから!Z」
そう言いながら、女性は私たちと入れ違うように車内へ入っていきました。
急いで座った直後、駅員が現れた
私と妻がホームへ降りると、後ろにいた乗客たちも順番に降りてきました。
車内を見ると、先ほどの女性はドアの近くにある座席へ腰を下ろしています。
ところが、全員が降り終わったところで、ホームにいた駅員が車内へ入りました。
「お客様、申し訳ありません。こちらの電車は折り返し準備を行いますので、いったんホームでお待ちください」
女性は驚いた様子で駅員を見上げました。
「でも、もう座っているんだけど」
「車内の確認が終わるまで、まだご乗車いただけません」
駅員は落ち着いた口調で、もう一度案内しました。
女性はしばらく座ったままでしたが、駅員に促され、渋々立ち上がります。
そして、つい先ほど押しのけるように通った同じドアから、再びホームへ降りてきました。
その頃には、ホームに乗車待ちの列ができ始めていました。
女性は列の先頭へ戻ろうとしましたが、駅員から最後尾を案内され、黙って後ろへ歩いていきました。
妻がその様子を見て、小さくつぶやきました。
「最初から待っていれば、あんなことにならなかったのにね」
女性が急いで確保した座席も、結局はいったん手放すことになりました。
電車に乗るときは、降りる人が先です。
ほんの少し待てば済むことでも、自分だけ先へ行こうとすると、かえって遠回りになるのだと感じた出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














