「もう帰りますから」授業参観後、先生の説明を遮って教室を出ようとした母親にかけられた一言
授業参観が終わり、先生から保護者への説明が始まった
中学校の授業参観に参加したときのことです。
授業が終わると、生徒たちは先生に挨拶をして、それぞれ教室を出ていきました。
そのあと、先生から保護者へ簡単な連絡事項があることは、事前にも案内されていました。
「少しだけお時間をいただきます」
先生がそう言って、学校行事や提出物について説明を始めます。
保護者たちは教室の後ろに残り、静かに話を聞いていました。
ただ、一人の母親だけは、教室に残っていた娘と小声で話を続けていました。
最初は周囲も気にしていない様子でしたが、だんだん声が大きくなり、先生の説明と重なるようになっていきます。
私も少し気になりましたが、わざわざ注意するほどでもないのかもしれないと思い、そのまま黙っていました。
すると数分後、その母親は娘に「行こう」と声をかけ、荷物を持って教室の後ろの扉へ向かいました。
「大切な連絡なので、あと少しだけお願いします」
先生はまだ説明の途中でした。
母親が扉を開けながら言いました。
「すみません、もう帰りますから」
その声で、何人かの保護者が振り返りました。
先生も一度説明を止めます。
母親はそのまま廊下へ出ようとしていましたが、先生は声を荒らげることなく、落ち着いて声をかけました。
「大切な連絡なので、あと少しだけお願いします」
母親の足が止まりました。
先生は続けて、「あと数分で終わります」と伝えました。
母親は少し迷ったようでしたが、娘と一緒に教室の後ろへ戻りました。
それから先生は、途中になっていた説明を再開しました。
提出物の期限や次の学校行事について話し、数分ほどで連絡は終わりました。
「以上です。ありがとうございました」
先生が頭を下げると、保護者たちもそれぞれ帰り支度を始めます。
先ほどの母親も今度は何も言わず、娘と一緒に教室を出ていきました。
帰り際、近くにいた保護者が小さな声で言いました。
「先生、ちゃんと言ってくれてよかったですね」
私も同じことを感じていました。
急いで帰りたい事情があったのかもしれません。ただ、事前に案内されていた短い説明の途中で、大きな声を出して立ち去ろうとすれば、周囲の集中も途切れてしまいます。
強く叱るのではなく、「大切な連絡なので、あと少しだけ」と静かに伝えた先生。その一言で、教室はすぐに元の落ち着きを取り戻しました。
相手を責めずに必要なことだけを伝える先生の対応が、今でも印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














