「財布まで、同じものになっていた」距離を取ろうとするほど笑顔で近づいてきた同僚に、背筋が凍った日
最初は、たまたまだと思っていた
数年前に勤めていた職場に、何かと私と好みが似ている同僚がいました。
明るく穏やかな人で、顔を合わせればいつも笑顔で挨拶をしてくれます。仕事で困っていると声をかけてくれることもあり、最初のころは私も特に気にしていませんでした。
少し気になり始めたのは、服装が似ることが増えてからです。
私が新しいブラウスを着て出勤すると、数日後、その同僚もよく似た色や形のものを着てきました。
「あ、それ素敵ですね。私もこういうの好きなんです」
そう言われれば、好みが似ているだけなのだと思えます。実際、珍しいデザインでもありませんでした。
ところが、その後も似たことが続きました。
私が髪を短くすると、しばらくして彼女も同じくらいの長さにします。私が休憩中に気に入っているお店の話をすると、数日後には「私も行ってきました」と教えてくれました。
もちろん、どれもそれだけならおかしなことではありません。
ただ、回数が重なるにつれて、私は少しずつ気になるようになっていました。
決定的だったのは、休憩中に彼女がバッグから財布を出したときです。
私が使っているものと、同じシリーズ、同じ色の財布でした。
「それ、私も買ったんです。使いやすそうだなと思って」
彼女はうれしそうに笑いました。
以前、会計のときに私の財布を見て「かわいいですね」と言われたことを、そのときになって思い出しました。
悪意があるわけではない。それでも、服や髪型だけでなく持ち物まで重なると、私は少し落ち着かない気持ちになりました。
嫌いなわけではないけれど、少し離れたかった
私はそれから、少しだけ距離を取ることにしました。
毎日のように一緒に取っていた昼休みを、ときどき一人で過ごすようにしたのです。
するとある日、彼女から声をかけられました。
「最近、一緒にお昼行かないですね。忙しいんですか?」
責めるような言い方ではありません。ただ純粋に不思議そうな顔をしていました。
私は迷った末に、「最近は一人でゆっくりしたい日もあって」とだけ伝えました。
「そうなんですね。わかりました」
彼女はいつものように笑って、それ以上は何も聞いてきませんでした。
それからは、昼休みに毎回誘われることもなくなりました。服や持ち物が似ることはときどきありましたが、私自身も以前ほど意識しないようになりました。
振り返れば、彼女に悪気はなく、単純に私の持ち物や服装を気に入ってくれていただけなのかもしれません。
それでも、自分が落ち着かないと感じるなら、無理に付き合い続ける必要はありません。
相手を責めるほどではなくても、少し距離を取る。そんな関わり方もあるのだと、そのとき初めて気づきました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














