「また庭に入ってたの?」落ち葉を掃除しに勝手に庭へ入った隣人。2か月後、窓の外で始まった作業
気づけば、うちの庭にお隣さんが
一戸建てに越してきて2年。お隣には60代くらいのご夫婦が住んでいて、庭には大きな木がありました。
秋になると、その木の落ち葉が風に乗ってうちの庭まで入ってきます。朝、玄関を出るたび、足元では乾いた葉がカサカサと音を立てていました。
もうひとつ気になっていたのが、境界にある古い塀です。お隣側の塀がうちのほうへ傾いており、家を建てた会社の担当者さんから修理をお願いしてもらっていましたが、そのままになっていました。
崩れるおそれがあるため、私たちも自分たちの塀を建てられず、気づけば2年がたっていました。
ある夕方、私は思い切ってお隣のご主人に声をかけました。
「すみません。落ち葉なんですけど、うちの庭にもかなり入ってきていて……」
「ああ……はい。わかりました」
ご主人は短く答えました。
ところが次の週、洗濯物を干そうと庭へ出ると、お隣のご夫婦がうちの芝生の上にいました。
ほうきで落ち葉を集め、袋に詰めています。
「あ、すみません。すぐ済みますから」
奥さんにそう言われ、私は戸惑いながらも「はい」と返すことしかできませんでした。
その後、もう一度、ご夫婦がうちの庭に入って落ち葉を掃除していることがありました。
助かっているのは確かです。でも、留守のときにもこうして入っているのだろうかと思うと、少し落ち着きません。
その夜、夫に話しました。
「また庭に入ってたの?」
「うん。掃除してくれるのはありがたいけど、ひと声かけてほしいよね」
夫は少し考えてから言いました。
「向こうも、落ち葉のことを何とかしようとしてるのかもな」
2か月後、庭から聞こえてきた音
それから2か月後の朝、隣から聞き慣れない音が響いてきました。
カーテンを開けると、作業着姿の業者さんが木に登り、太い枝を一本ずつ切っています。
傾いていた塀の前でも、職人さんが作業を始めていました。
驚いて庭へ出ると、お隣のご主人が塀のそばに立っていました。
「うるさくして、すみません。塀のこと、ずっと気になっていたんです」
「そうだったんですか」
「掃除でそちらに入ったとき、落ち葉がかなりたまっているのを見て…。大変だっただろうと思って。塀も2年も待たせてしまって、すみませんでした」
後ろにいた奥さんも、小さく頭を下げました。
私はそれまで抱えていたモヤモヤが、少しずつほどけていくのを感じました。
「ありがとうございます。本当に助かります」
その年の秋、うちの庭にもようやく新しい塀が建ちました。
今では、塀越しにお隣のご夫婦と顔を合わせると、「おはようございます」と自然に声をかけ合っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














