「本当に頼りになるな」英語堪能な同僚。だが、客と揉めた瞬間の姿に思わず絶句
頼りにされていた英語堪能な同僚の、もう一つの顔
その日のフロアは、いつも通りの平日の混み具合。
海外からの団体のお客様も多く、英語が堪能な同僚の女性が中央のカウンターでてきぱきと対応していました。
「本当に頼りになるな」
誰の目から見ても、頼もしい光景だったのです。
彼女の評価は、決して悪いものではありません。
海外のお客様の案内は誰よりも上手く、現場の数字を支えている自負もあったと思います。
ただ、社内での彼女には少し近寄りにくい一面がありました。
声が大きく、主張が通らないと書類をパシッと音を立てて置く。
注意は届かず、別の話題で巧みに覆い隠してしまうのでした。
その「困った」部分が、外向きの仕事の中でついに顔を出した瞬間に、私は居合わせてしまったのです。
欧米から来られた一人のお客様が、突然強い表情で英語で抗議を始めました。
手元のスマートフォンを彼女に向け、首を横に振り続けている。
そしてはっきりと、こう発したのです。
「これは盗撮じゃないですか?」
カウンター越しに、空気が一瞬で冷たくなりました。
他部門まで巻き込んで膨らんでいく、終わりの見えない説明
普通であれば、ここで責任者が出てきて、防犯カメラを確認しましょう、と話が進む場面です。
けれど彼女は、自ら前に出続けたのです。
得意の英語で、お客様の主張の細部に切り込み、矛盾を一つずつ指摘していく。
その内容を周囲の私たちに振り返り、自分の解釈で要約して聞かせる。
途中、別フロアから歩いてきた中堅の管理職をつかまえ、「こちらの方が誤解されていて」と当事者として巻き込んだのです。
その管理職が首をかしげると、彼女は今度は他部門の責任者にまで電話を入れて応接コーナーへ呼び寄せました。
三つの部門の輪の中で、お客様は半ば置き去りにされています。
(あれ、これは何の確認になっているんだろう)
その輪の外で見ていた私は、背中に冷たいものが走るのを感じたのです。
盗撮の有無は、カメラ映像を見れば数分で分かる話。
なのに彼女は、確認に行きつくまでの時間を自分の声と人脈で埋め続けている。
終わりの見えない説明そのものが、彼女の「自分は被害者だ」の主張になっていたのです。
結局、防犯カメラの確認で騒動の幕は引かれました。
お客様は浮かない表情のまま帰り、他部門の人たちは無言で持ち場へ戻っていったのです。
翌朝、彼女はいつも通りの笑顔で出勤し、新しい海外のお客様に流暢な英語で挨拶をしていました。
何ごとも無かったような爽やかさ。一人の人間が、ここまで場を膨らませて、翌日には何も残さずに動ける。
その手際そのものが、長く胸に残ったのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














