「お父さんの誕生日、何かあげる?」父の誕生日プレゼントを1ヶ月手ぶらでスルーする妹夫婦→母が台所で漏らした本音
誕生日を確認してきた妹
父の誕生日が近づいたある日、あまり連絡のない妹からメッセージが届いた。
「お父さんの誕生日、何かあげる?」
こちらの予定を確認するだけの、短い一文だった。毎年ビールを贈るのが恒例なので、今年も同じつもりで確認してきたのだろうと受け取り、私は自分の予定だけ返した。
すると「なるほど」と一言返ってきて、そこで会話は終わった。
近くに住んでいるのだから、誕生日が過ぎてしばらくすれば持ってきてくれるだろうと思っていた。
その年もそうなのだろうと、深く考えなかった。
誕生日が過ぎた。
一週間が経った。二週間が経った。妹夫婦からのプレゼントが届く気配はなかった。
それでも妹夫婦は、何事もなかったように甥っ子を連れて週末に実家へやってくる。両親も笑顔で迎え入れ、甥っ子を囲んで賑やかに過ごしていく。父の誕生日の話は、誰も触れない。
母が漏らしたひと言
一ヶ月が過ぎたある夜、台所で後片づけをしていると、母がぽつりと漏らした。
「甥っ子にはあんなにあげてるのに」
そのひと言で、私の中にあった違和感に名前がついた気がした。
両親は甥っ子に、来るたびにおもちゃを渡し、お菓子を持たせ、洋服まで用意する。
孫への愛情はわかる。それ自体に文句はない。でも同じ妹夫婦が、誕生日のプレゼントひとつを届けないまま、甥っ子の顔を見せにだけ手ぶらで通ってくる。
近くに住んでいるから機会はいくらでもある。聞いてきたのだから、忘れているとも思えない。言うつもりがあって聞いてきたのなら、なぜ今も何もないのだろうか。
誰も責めてはいない。妹夫婦のことは好きだ。甥っ子のことも可愛いと思っている。
ただ、片方だけが与え続けて、もう片方はもらいっぱなしになっているこの状況が、言葉にできないまま胸の中に引っかかり続けている。
母の一言を聞いてから、週末に妹夫婦が来るたびに、リビングの空気が以前とは少し違って見えるようになった。
両親が甥っ子に渡すプレゼントの包みを目にするたびに、私はそっと視線を外す。
家族だから責めない。妹夫婦を嫌いになったわけでもない。でも、プレゼントを確認してきたあの一文が頭から離れないのも事実だ。「なるほど」と返ってきたとき、何かを感じるべきだったのかもしれない。
モヤモヤしているのは私だけではないのかもしれないが、誰もそれを口にしない。家族だからこそ、言えないことがある。だからこそ、どこにも置きようのない気持ちが、ただ静かに積もっていく。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














