「暑くないだろ、消すぞ」とエアコンを消す夫。だが、汗をかいた子供の姿を見て思わず怒り心頭
「暑くないだろ」の一言
梅雨の雨が一日じゅう降り続く、蒸し暑い午後だった。生後ひと月の息子は、リビングの布団で気持ちよさそうに眠っている。
私は除湿冷房をかけ、息子が汗ばまないよう、何度も肌着の中へ手を差し入れて背中を確かめていた。
すると、日ごろから節電にうるさい夫が、つかつかとリモコンを手に取った。
「暑くないだろ、消すぞ」
止める間もなく、冷房は切られた。
雨で涼しいのに電気の無駄だ、というのが夫の理屈だった。
赤ちゃんは自分で体温をうまく調節できないのだと訴えても、「神経質すぎる」と笑って取り合わない。
息子がぐずり出し、あやしているうちに、私はいったんその場を離れてしまった。
三十分後の異変
洗い物を終えて戻ると、部屋は蒸し風呂のようになっていた。
汗をかいてる息子を抱き上げて、私は怒りが止まらなかった。
私は大急ぎで冷房を入れ直し、息子の汗を拭って、風を送った。
水分を含ませ、母乳を与えると、しばらくして頬に赤みがさし、ようやく元気な声が戻ってきた。
全身から、どっと力が抜けた。
念のため、小児科の相談窓口にも電話をかけた。
汗の量と反応の鈍さを伝えると、「脱水になりかけていたのでしょう。気づくのが遅ければ危なかった」と言われ、受話器を握る手が冷たくなった。
妻が突きつけた事実
「ほら、平気じゃないか」戻ってきた夫は、のんきにそう言った。
私は濡れた肌着を握りしめ、夫の顔を正面から見据えた。
「この子、脱水になりかけてたんだよ」濡れた肌着を突き出すと、夫は気まずそうに目を泳がせた。
「そんな、大げさな……」と言いかけて、腕の中でぐったりしていた息子の姿を思い出したのか、そのまま口をつぐむ。
しばらくの沈黙のあと、夫は深々と頭を下げた。
「……ごめん。俺が甘く見てた」。その声は、さっきまでの軽さが嘘のように沈んでいた。
それからの夫は、まるで人が変わったようだった。エアコンに勝手に触れることはなくなり、帰宅するとまず、息子の背中にそっと手を当てる。
「大丈夫か?」が、すっかり口ぐせになった。たった一枚の濡れた肌着が、夫の目を覚まさせたのだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














