「専業主婦なら時間あるんじゃない?」忙しいと話した私。だが、隣のママが静かに返した一言
会うたびに聞かれる家のこと
長女が年中だったころ、降園後は同じクラスのママ数人と、近くの公園で過ごすことがよくありました。
滑り台の見えるベンチが、いつもの場所でした。
その中の一人は面倒見がよく、行事の連絡もまめにしてくれる人でした。ただ、顔を合わせるたびに家庭のことを聞かれるのが、少しずつ気になるようになっていました。
「旦那さんって、土日も仕事なの?」
「うん。シフトだから、休みはばらばらなんだ」
別の日には、子どもの話になりました。
「下の子は習い事、何してるの?」
「まだ何もしてないよ。家で絵を描くのが好きみたい」
どれも一つだけなら、よくある世間話です。
ただ、会うたびに夫の仕事や子どものことを聞かれると、私はだんだん答えに困るようになっていました。
ある日、公園で次にみんなで集まる話になったとき、私はしばらく参加できないかもしれないと伝えました。
下の子が熱を出したばかりで、実家の用事も重なっていたからです。
「最近ちょっと忙しくて。次は行けないかも」
すると、そのママが少し意外そうな顔をしました。
「え、でも専業主婦なら時間あるんじゃない?うちは共働きだから毎日バタバタだよ」
悪気があったのかは分かりません。ただ、その言葉を聞いた瞬間、私は返事に詰まってしまいました。
隣から聞こえた静かな一言
そのとき、近くで子どもたちを見ていた別のママがベンチへ戻ってきました。下の学年にも子どもがいて、普段から落ち着いた話し方をする人です。
私たちのそばに腰を下ろすと、少し間を置いて口を開きました。
「でも、家のことって外から見ただけじゃ分からないよね」
そして、私のほうを見るでもなく続けました。
「専業でも共働きでも、それぞれあると思うよ」
責めるような言い方ではありませんでした。
周りのママたちも「まあ、そうだよね」とうなずき、そのママもそれ以上は何も言いませんでした。ちょうど子どもたちが滑り台から戻ってきて、話題も自然に変わっていきました。
公園を出たあと、声をかけてくれたママが私の横に並びました。
「私も前に、似たようなこと聞かれたことあるんだ」
そう言って少し笑う姿を見て、私もようやく笑えました。
それまで「私が気にしすぎなのかな」と思っていたので、同じように感じた人がいたと分かっただけでも、少し肩の力が抜けました。
それから、そのママが私の家庭について細かく聞いてくることはなくなりました。それでも公園には変わらず顔を出し、行事の連絡も今までどおりしてくれています。
その夜、夫に公園であったことを話しました。
「前から家のことをいろいろ聞かれて、ちょっと困ってたんだよね」
「そうだったんだ。今日は何かあったの?」
「別のママが『外からじゃ分からないよね』って言ってくれてさ。それで空気が変わったの」
強く言い返さなくても、誰かがそっと口にした一言で、気持ちが楽になることもあるのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














