
フリーランスから会社員へ戻る動きが急加速。転職成功数は5年前の2.7倍を超え、AIへの不安や収入の現実が背景に
自分らしく、縛られずに働きたい。そんな願いを形にしたはずのフリーランスたちが、今こぞって組織の門を叩いています。転職支援サービスが発表したデータによれば、個人事業主から正社員への転換実績は、ここ数年で3倍近い水準にまで跳ね上がっているのだとか。かつては満員電車や固定の勤務時間に別れを告げることが成功の証のように語られた時期もありましたが、風向きは大きく変わりつつあります。
現実は、そう甘くはありませんでした。まず立ちはだかるのが、想像以上に重たいお金の負担。売上1,000万円と聞けば景気が良さそうに聞こえますが、そこから社会保険料や年金、経費を自前で引いていくと、手元に残る実感は会社員時代の年収600万円程度と変わらないなんて話も珍しくありません。ボーナスもなければ有給休暇もない、体調を崩せば即座に収入が途絶えるという綱渡りの日々。自由を謳歌する代償として支払うコストの重みに、改めて気づかされる人が増えているようです。
さらに追い打ちをかけるのが、急速に進化を遂げる人工知能の存在。これまで多くのフリーランスが手掛けてきた、いわゆる下流工程の作業が、AIによって瞬く間にこなせるようになってしまいました。先行きが見えない暗闇の中で、独り戦い続けることに限界を感じるのも、無理のないことかもしれません。
こうした現状に、SNS上ではリアルな声が次々と寄せられています。
『フリーランスで30年やっているが、同業会社員の2から3倍稼げる自信がなければ、組織にいたほうがいい』
『正社員に戻った人はかなり有能。そもそも戻りたくても戻れない人のほうが多いのが現実』
『フリー時代は国民健康保険の高さが身に沁みた。今は普通に働ける日常に感謝している』
ネットの反応を眺めていると、独立後の厳しい懐事情や孤独感を切実に吐露する意見が目立ちます。一方で、企業側がリモートワークやフレックスタイムを導入し、フリーランス時代の強みを活かせる柔軟な環境を整え始めたことも、この逆流現象を後押ししているようです。
かつての会社員像とは異なり、組織に属しながらも自分らしいスタイルを維持できる土壌が広がりつつあるのかもしれません。














