「いつもこうしてるんだよ!」と義実家でイクメンアピールする夫。だが、娘の一言で怒られたワケ
義実家での変身
月に一度、夫の実家を訪ねる日。その日の夫は、家にいるときとはまるで別人だった。
玄関を上がるなり娘を抱き上げ、義両親に向かって声を張る。
「いつもこうしてるんだよ!」
家でもこうだと言わんばかりの口ぶりだった。普段の夫は、フルタイムで働く私に「手伝おうか」と声をかけるだけ。
ゴミ出し一つで「家事やってる」と満足する人だ。それが、義両親の前ではオムツ替えまで率先してみせる。
「すごいわねえ、よく面倒みてくれて」
「いやいや、当然のことだから」
義母の言葉に、夫はますます調子づいた。家では一度も見たことのない顔だった。私はソファの隅で、冷めたお茶をすすりながら、白けた気持ちを押し隠していた。
口を挟めば角が立つ。だから、ただ黙って眺めるしかなかった。
凍りついたリビング
昼食のあと、夫はまた娘を膝に抱え、義両親に語り始めた。
「育児も家事も、俺が半分は受け持ってるんだ」
そのとき、娘がきょとんとした顔で口を開いた。
「パパがおうちで掃除するの、見たことないよ?」
リビングが、しんと静まり返った。夫の笑顔が、そのまま固まる。
「いや、それは……あれだよ、娘がまだ小さいから覚えてないだけで」
「パパ、おむつのテープいつも反対だもん。ママがやり直してるよ」
追い打ちのような一言に、義両親が顔を見合わせた。言い訳が、宙に浮いたまま消えていく。義母が箸を置き、夫をまっすぐ見据えた。
「ちょっと、台所まで来てちょうだい」
有無を言わさぬ声だった。夫は青ざめた顔で立ち上がり、うつむいたまま義母のあとに続いた。
味方になった義母
襖の向こうから、義母のきっぱりした声が届く。
「育児は手伝いじゃない。あなたが親としてやる仕事なの。半分やってるなんて、嫁さんの前でよく言えたものね」
「いや、でも仕事もあるし……」
「あの子だって働いてるでしょう。言い訳しないの」
「……ごめん。母さんの言う通りだ」
戻ってきた夫は、もう得意顔ではなかった。義父にも「みっともない真似をするな」と一言釘を刺され、ばつが悪そうに小さくなっている。さっきまでの大きな声は、すっかり影をひそめていた。
義母は、私の手をそっと握った。
「気づいてあげられなくて、ごめんなさいね」
それから夫は、家でも黙って動くようになった。ドヤ顔の報告は消え、皿を洗い、洗濯物を干す背中が増えた。
義実家で誰よりも大きく見せていた人が、今は私の顔色をうかがいながら家事をこなしている。一枚のお面のような演技は、もうどこにもなかった。立場は、すっかり逆転していた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














