tend Editorial Team

2026.08.04(Tue)

「もう少し待ってくれ、10万は」3年も返さない叔父に、私が振込の記録を示して全額回収した正論

「もう少し待ってくれ、10万は」3年も返さない叔父に、私が振込の記録を示して全額回収した正論

頼み込まれて貸した10万円

3年前のことになります。親戚の法事が終わった帰り際、50代になる叔父が私をそっと物陰に呼び、あたりを気にしながら声をひそめて切り出しました。

「今月の支払いが、どうにも回らなくてな」

気の弱そうな笑みを浮かべ、叔父は今月ばかりは財布の中身がどうにも足りないのだと、言いにくそうに打ち明けます。

「来月の給料日には、きっちり返すから」

子どものころから何かと世話になってきた相手でもあり、私は少し迷ったものの、断りきれずに10万円を手渡しました。

「この恩は、一生忘れないよ」

そう言って何度も頷く叔父の姿を見て、そのときは返済のことなど、何の疑いも抱いていませんでした。むしろ、困ったときに頼ってもらえたことを、どこか誇らしくさえ感じていたほどです。

けれど、約束の月末が来ても、叔父から返済の連絡が入ることはありませんでした。こちらから急かすのもためらわれて、私はしばらく黙って様子を見ることにしました。

それでも待てど暮らせど動きがなく、思い切って電話で尋ねてみても、返ってくるのは歯切れの悪い言葉ばかりです。

「もう少し待ってくれ、10万は」

そんなふうに軽く流されてしまうと、私はそれ以上、何も言えなくなってしまうのでした。強く迫って角が立つのも嫌で、いつも言葉を飲み込んでしまいます。

振込の記録を示して回収した日

気づけば、あれからもう3年もの月日が流れていました。貸した10万円は、ついに一度も返ってきていません。

それでいて、法事のたびに顔を合わせる叔父は、決まって仕立てのよさそうな服をきちんとまとっているのです。会うたびに装いが新しくなっているように見えて、私はそのたびに小さく胸がざわつきました。

「いい店を見つけてな、この酒がまた旨いんだ」

盃を片手に上機嫌で語る叔父を前に、私はとうとう覚悟を決めました。角が立つのを恐れて三年も飲み込んできた言葉を、今日こそ伝えようと思ったのです。

私はスマートフォンに三年前の振込明細を表示し、叔父の手元へ静かに向けました。日付も金額も、はっきり残っています。

「叔父さん、この10万円、もう三年です。そろそろ返してもらえますか」

責める口ぶりではありません。動かせない記録を示して、穏やかに、けれど引かずにそう伝えました。

叔父はしばらく画面を見つめ、やがて盃を置くと、決まりの悪そうな顔でうなずきます。

「……悪かった。ずるずると甘えてしまったな。ちゃんと返すよ」

そして後日、10万円は全額振り込まれてきました。記録を一つ示すだけで、あれほど言えなかった一言が通ったのです。帰り道、三年ぶんの重たいつかえが取れて、足取りは驚くほど軽くなっていました。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.11.05(Thu)

「それ本物?」母から譲り受けたバッグを偽物扱いするママ友。言い返せずにいた私を救った、隣のママの一言
tend Editorial Team

NEW 2026.11.05(Thu)

「その抱き方やめて。母親でしょ」と毎週押しかけて妻を責める母。ついに玄関で俺が突きつけた正論
tend Editorial Team

NEW 2026.11.05(Thu)

「我が家は辞退させていただきますね」ホームパーティー前夜に届いたママ友の要求。控えめな母親の返信をきっかけに全員辞退
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.05.21(Thu)

「聞いていないんだけど。初めて知ったよ?」と言い切る上司→事実だけを丁寧に並べた私に訪れた逆転の瞬間
tend Editorial Team

2025.12.03(Wed)

「俺の家だ」と追い出そうとする夫。だが、妻の正論で、夫の方が追い出されることになったワケ【短編小説】
tend Editorial Team

2025.12.22(Mon)

「母さんの介護はお前がやれ」と逃げる兄夫婦。だが、母の遺言書に書かれていた一文を見て絶句【短編小説】
tend Editorial Team