「うちの夫ともう会わないでください」親友が紹介した彼は既婚者だった→親友の本性に思わず絶句
突然の電話
その電話は、まったく知らない番号からだった。仕事終わりに出ると、女性の張りつめた声が聞こえてきた。
「うちの夫ともう会わないでください」
夫、という言葉が、どうしても飲み込めなかった。私が付き合っているのは、独身のはずの彼だ。
「すみません、何かの間違いじゃ……」
「間違いません。あの人には妻がいます。私です」
三ヶ月前から交際していた彼が、既婚者だった。そんな話、ひと言も聞いていない。
信じきっていた紹介
そもそも彼との出会いは、十年来の親友の紹介だった。姉妹みたいに仲が良くて、その彼女がわざわざ勧めてくれた相手だ。
「すごく良い人だから、会ってみて」
「私の同僚だから、変な人じゃないよ」
「同僚なんだ。じゃあ素性も確かだね」
「もちろん。私が保証する」
その言葉を、私は疑いもしなかった。
十年来の親友が、わざわざ太鼓判を押してくれたのだ。
だからこそ、妻の電話は何かの手違いだと思いたかった。
私は震える声で、自分も既婚とは知らなかったこと、人からの紹介だったことを伝えた。
「紹介してくれたのは、誰なんですか」
妻に問われ、親友の名前を口にした。受話器の向こうで、彼女が短く息を呑むのがわかった。
「その人、夫と同じ職場の人です」
指先から、すっと温度が消えた。
同僚なら、彼が既婚者だと知らないはずがない。それなのに、独身の私に「良い人」と勧めてきたのだ。
黒幕の正体
翌日、私は親友を呼び出した。
妻から聞いたことを、ひとつずつ並べていく。彼女の顔から、笑みが消えていった。
「知ってて紹介したよね。同じ職場で、知らないわけないもの」
「……そんな、私は良かれと思って」
「良かれと思って、親友に既婚者を勧めるの」
「…だって、彼が私を選ばないのが悪いのよ」
そう呟いた彼女は立ち上がると、何も言わずに背を向けて去っていった。
のちに彼の妻とも顔を合わせ、私たちは静かに事実を確かめ合った。
彼女も、夫が独身の女性と会っているとは思いもしなかったという。
「私たち、二人ともだまされてたんですね」
怒りの矛先は、嘘をついた彼と、それをあてがった親友へ。
大切な人を二人も失ったはずなのに、不思議と胸はすっきりしていた。嘘で塗り固めた関係に、もう気を遣わなくていいのだから。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














