tend Editorial Team

2026.07.01(Wed)

「切れ目に塩が詰まってる」ママ友宅の晩酌で出された手料理→笑顔のまま見ていた彼女に凍りついた

「切れ目に塩が詰まってる」ママ友宅の晩酌で出された手料理→笑顔のまま見ていた彼女に凍りついた

差し出された小皿

その日は、ママ友たちとのお茶会の帰りだった。彼女に誘われるまま、私は自分の車で彼女を家まで送り、そのまま招かれて上がった。

「車だと飲めないでしょ。私だけいただくわね」

そう言って彼女は缶を開け、一人で晩酌を始めた。私はお茶をもらい、運転があるからと丁寧に断った。

彼女は気にする様子もなく、台所からいくつかのつまみを運んでくる。

「あなたのぶんも作ったから、食べて食べて」

湯気の立つ小皿が、私の前に置かれた。温かいウインナーが何本か、きれいに並んでいた。普通の、おいしそうな家庭料理に見えた。

「ありがとう、いただくね」

運転前にお腹に入れておこうと、私は気軽に箸を伸ばした。彼女は缶を傾けながら、ふふ、と小さく笑って私の手元を見ていた。

切れ目に詰まっていたもの

一本を口に入れた瞬間、私は固まった。

塩辛さが、舌を刺すように突き抜けてきたのだ。

「これ、しょっぱすぎる」

表面に塩はかかっていない。なのに、噛むほどに塩気が増していく。私は箸先で一本を割って、思わず息を呑んだ。

「切れ目に塩が詰まってる」

包丁で入れた切れ目の奥に、大量の塩が押し込まれていた。手が滑って振りかけた、という量ではない。誰かが指で、ぎゅっと中へ詰めたとしか考えられなかった。

念のため、他の皿のものも少し口にしてみた。

そちらは、ごく普通の味付けだった。塩の塊が仕込まれていたのは、私の前に置かれたウインナーだけだったのだ。

同じ笑顔のままで

恐る恐る顔を上げると、彼女は缶を片手に、にこにことこちらを眺めていた。困った顔も、申し訳なさそうな様子も、いっさいなかった。

「どうしたの?しょっぱかった?」

その声の柔らかさに、かえって背筋が凍った。指摘したところで、きっと「間違えちゃった」と笑うだけだ。

むしろ彼女は、私が顔をしかめる様子を楽しみにしていたのではないか。そう思った瞬間、この家にいることがたまらなく怖くなった。

「ごめんね、つい味見しないで出しちゃって」

そう言いながらも、彼女の口元はずっと笑ったままだった。詫びの言葉と、その表情が、まるで噛み合っていなかった。私は曖昧に頷くことしかできなかった。

「……ごめんね、そろそろ帰るね」

私はそう言って腰を上げ、逃げるように車に乗り込んだ。優しい顔で家に招いてくれた人が、その同じ手で切れ目に塩を詰めていた。

どうして、と考えても答えは出ない。いつか自分に返るのだから、仕返しをする気はない。それでも、にこやかなあの表情を思い出すたび、今も手のひらが冷たくなるのだ。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.15(Sat)

「お菓子くらい、いいでしょう」授業参観中に歩き回る子供。母親の対応に感じた本音とは
tend Editorial Team

NEW 2026.08.15(Sat)

「別に怪我したわけじゃないですよね」子供を注意された母親。だが、私を救った男性の一言とは
tend Editorial Team

NEW 2026.08.15(Sat)

「オオカミ、もう来るよ」発表会本番で台本にないセリフを言った子供。だが、先生が笑って話した真実とは
tend Editorial Team

RECOMMEND

NEW 2026.08.15(Sat)

「玄関の戸を閉めただけよ、大げさね」泣き出した子供。だが、夫が義母に伝えてくれた本音とは
tend Editorial Team

2026.07.08(Wed)

彼「やり直そう、俺が悪かった」→「もう引っ越すから」6年の恋人の浮気を知った私が選んだ決断
tend Editorial Team

2026.04.27(Mon)

「何チンタラ動いてんだよ!」客の前でバイトを怒鳴る副店長。本社の視察に気づかず大暴走した結果
tend Editorial Team