「かわいそうだから、好きなだけ食べさせて」勝手に娘にお菓子をあげる義母→娘がご飯を残してしまった
比べられた娘
夫の実家での昼食は、いつも少し気を張る時間だった。
娘が2歳になったその日も、私は朝から身構えていた。
食事の途中、娘が椅子から下りて、部屋の中をとことこ歩き始めた。まだ長く座っていられる年ではない。
その様子を見た義母が、ため息まじりに言い放った。
「うちの息子は落ち着いてた」
暗に、私の育て方が悪いと言いたいのだ。
この年頃の子が動き回るのは自然なことなのに、義母の中ではすべて親の責任らしい。
「男の子と女の子でも違いますし、今はこういうものなんですよ」
やわらかく返したつもりだったが、義母は聞こえないふりをして目をそらした。
返す言葉を探しているうちに、娘がお菓子の袋に手を伸ばした。
奪えなかった袋
私は普段、おやつの量をきちんと決めている。ごはんの前に食べすぎれば、夕飯が入らなくなるからだ。
「ちょっとだけ、あとでね」
そう言いかけた瞬間、義母が横から袋を取り、娘の腕にすっぽりと抱えさせた。
「かわいそうだから、好きなだけ食べさせて」
袋ごと渡された娘は大喜びで、もう手放しそうにない。
取り返せば泣くし、義母は不機嫌になる。私はその場で、ぐっと言葉を飲み込むしかなかった。
案の定、娘はその日、夕飯にはほとんど箸をつけなかった。せっかく用意された料理も、半分以上が残ってしまった。
私が決めていた小さなルールが、あっさり踏み越えられた気がして、もやもやを抱えたまま、私たちは帰路についた。
夫が黙らせた一言
車の中で、私はたまらず夫にこぼした。おやつの量くらい、親の私に決めさせてほしい、と。
夫の反応は、思っていたよりずっと早かった。
「わかった。次に行く時に、俺から話しておく」
そして実家を訪ねた日
夫は告げた。
おやつも食事も、親に任せてほしいと。
義母は「無理なんじゃないの」と言い返そうとした。
けれど夫は、落ち着いた声でぴしゃりと続けた。
「娘のことは、俺たちが一番わかってる。口出しはいらないよ」
その一言で、義母は黙り込んだ。
次に会ったとき、義母は決まり悪そうな顔をしていた。
それでも、お菓子を袋ごと押しつける場面は、二度となかった。
娘が席を立っても、以前のような嫌味は聞こえてこない。私がおやつを小分けにして渡すと、義母は口をつぐんだまま、そっと目をそらした。
あの日、夫が引いてくれた一本の線が、私たちの日常を静かに守ってくれている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














