tend Editorial Team

2026.07.14(Tue)

「上の人、また怒ってるの?」子供が騒ぐとドンと床を叩く上の階の夫婦。だが、夫婦が引っ越して離れたワケ

「上の人、また怒ってるの?」子供が騒ぐとドンと床を叩く上の階の夫婦。だが、夫婦が引っ越して離れたワケ

床を叩く音との戦い

賃貸アパートの1階で、私は夫と幼い子ども2人と暮らしていた。

真上の部屋には、しばらく前から子どものいない夫婦が住んでいた。

越してきて半年ほどは、上の階を意識することもなかった。それがある時期から、状況は一変する。

子どもがほんの少し動くだけで、真上からドン、ドンと床を叩きつける音が返ってくるようになったのだ。

はじめは偶然かと思った。けれど子どもが数歩走るたび、その音は執拗に、長く続くようになった。

明らかに、こちらへの当てつけだった。

「上の人、また怒ってるの…?」

おびえた上の子の声に、胸が締めつけられた。

私はぞっとして、思わず子どもを抱き寄せた。やがて郵便受けには、文句の手紙まで入れられるようになった。

一冊のノートが流れを変えた

このまま泣き寝入りはしたくなかった。私は、一冊のノートを用意した。

床を叩く音がした日付と時刻、続いた長さを、一件ずつ書き込んでいく。手紙が届いた日には、その紙をページに貼りつけた。スマートフォンには、あの重い打撃音も録音していった。

ノートが厚みを増した頃、私はそれを持って管理会社と大家に相談した。

「これだけの記録があります。手紙も、音も、全部残しました」

担当者はノートをめくる手を止め、低い声で言った。

「これはひどい。うちの規約では、はっきり禁止している行為ですよ」

数日後、管理会社と大家が、上階の夫婦のもとを訪ねて注意した。証拠が揃っている以上、言い訳は通らない。

「そちらの子どもが騒ぐからでしょう」

そう食ってかかった夫婦だったが、日時の記録と手紙を並べられると、次第に声が小さくなっていった。最後には、二人とも青ざめたまま黙り込んだという。

「もう二度とさせません。安心してお住まいください」

大家のその言葉どおり、廊下で会っても、あの夫婦は目を合わせようとしなくなった。あれほど激しかった床を叩く音も、ぴたりとやんだ。

そして数か月後、先にアパートを去ったのは、あの夫婦のほうだった。荷物を積んだトラックが走り去っていくのを、私は窓の内側から、静かに見送った。

「ママ、もう上、静かだね」

子どもの明るい声が、久しぶりに部屋に響いた。証拠を積み上げて正面から向き合ったことで、奪われた我が家の平穏は、ようやく戻ってきたのだった。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.15(Sat)

「あら、本当に慣れてないのね」苦手な料理を笑った義母。翌週、夫の一言で義母の態度が一変
tend Editorial Team

NEW 2026.08.15(Sat)

「冷蔵庫くらい開けていいだろ。家族なんだから」遊びに来た義兄夫婦の信じられない行動。だが、義兄夫婦の家に訪問した結果
tend Editorial Team

NEW 2026.08.15(Sat)

「まだ空いてるし前行くわ」運動会の撮影で割り込んだ夫婦。だが、午後の部で見た意外な光景とは
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.01.19(Mon)

「親孝行だと思って貸してくれ」頼む父。貸したお金の使い道を追った私が見た、最悪の裏切りとは【短編小説】
tend Editorial Team

2025.08.25(Mon)

ひろゆき氏「若者は有料コンテンツを見ない」松本人志の挑戦は『修羅の道』か?その分析に様々な意見が
tend Editorial Team

2026.07.26(Sun)

「生姜焼き、二人分で頼む」妻の分だけ注文を忘れた夫。だが、義父が店員を呼び戻すと顔面蒼白に
tend Editorial Team