「俺だって、やるときはやってるだろ」家事は妻任せの自称イクメン。だが、妻が家事を見える化した結果
やる気になるのは義母が来る日だけ
結婚して10年、夫はいつも自分のことを「イクメン」と呼んでいた。
けれど本当に家事や育児をするのは、義母が遊びに来る日だけ。義母の前では甲斐甲斐しく子どもの世話を焼き、台所にも立つ。ところが義母が帰った途端、夫はソファでスマホゲームに戻り、子どもが泣いても顔を上げようともしない。
家事の分担をお願いするたび、夫はきまって不機嫌になった。
「俺だって、やるときはやってるだろ」
そう言い返すものの、その「やるとき」が義母の来訪日だけだと、本人は気づいていないようだった。
子どもが高熱で夜中に泣いた日も、起きて対応するのは決まって私だった。夫は隣で寝返りを打ち、「明日、仕事だから」とつぶやくだけ。それでいて、自分は立派な父親のつもりでいる。その温度差に、私はずっと言葉を飲み込んできた。
担当5%を突きつけた朝
言い返す代わりに、私は行動で示すことにした。
その夜、家事と育児のすべてを一枚の紙に書き出した。
朝食作り、保育園の送り迎え、寝かしつけ、病院の付き添い、連絡帳の記入、名もなき雑用…。
書けば書くほど項目はふくれ上がり、数十個に達した。そこに、夫が担当しているものだけ、赤い印をつけていく。赤はほんの数個しかつかなかった。
翌朝、その「見える化リスト」をテーブルに置いた。夫はコーヒーを片手に、何気なくリストを手に取る。そして、しばらく無言のまま眺めていた。
自分の印がついているのは、全体のわずか5%だけ。
「これ…全部、お前がやってたのか」
声がどんどん小さくなっていく。
「俺、なんもやってなかったんだな」
そうつぶやいたきり、夫は黙り込んだ。いつもの言い訳も、逆ギレも、その朝は出てこなかった。
翌日から、夫は言われる前に食器を洗い、子どもの「パパ」という声にすぐ立ち上がるようになった。あれほど得意げだった「イクメン」の言葉も、いつの間にか聞かなくなっていた。
数週間後、また義母が訪ねてきた。夫が張り切って動くのを見て、私は思わず笑ってしまった。もう、義母に見せるための演技ではなくなっていたからだ。
一枚のリストが、10年続いた勘違いを、静かに終わらせてくれた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














